線譜『9台のチェロのためのエチュード』
作品サイズ:335×248mm
額縁サイズ:395×308×30mm
ボールペン画 2015年
作品サイズ:335×248mm
額縁サイズ:395×308×30mm
ボールペン画 2015年
●音と音楽
「音」と「音楽」は違う、と。
どうすれば「音」が「音楽」になるのかといいますと、まずは「音を構成する」ことです。「composition」は「構成」であり「作曲」でもありますからね。
雨の日が続いてますが、雨音に気がついて耳を傾ける時、心地良く感じて癒されたりしますよね。
どうすれば「音」が「音楽」になるのかといいますと、まずは「音を構成する」ことです。「composition」は「構成」であり「作曲」でもありますからね。
絵も文も音楽も、「種から芽が出て育つ」ように生まれるイメージを持っていたので、曲・文・絵の創作を「composition」というのは、なんだか機械的な印象を受けます。
自分に足りなかったのは制作の「composition」要素なのかなあと、今になって思った次第ですわ。
ということで、音を構成すると音楽になります。
それから、音を切り取ってフレーミングしても音楽になるかと思うんですね。
雨音はずっと鳴っていたのですが、意識して切り取ることによって情緒が生じます。
その時、雨音は調べになります。
参照)雨音はショパンの調べ
参照)雨音はショパンの調べ
(この曲のせいで、雨が降るとショパンを聴きたくなる人は少なからずいるはず。原曲「I Like Chopin」を「雨音はショパンの調べ」と訳したユーミンは天才過ぎる)
作曲(composition)が作り手が生み出す音楽なのに対して、雨音の調べは聴き手が見出す音楽だと言えるでしょう。
作曲(composition)が作り手が生み出す音楽なのに対して、雨音の調べは聴き手が見出す音楽だと言えるでしょう。
このように、音を意識的に扱うと音楽になるんですよね。
また、「音と音楽」の関係は「星と星座」の関係にも似てるのかなあって思ったりします。
●星と星座
私はやぎ座なのですが、お話はこうです。
どうです? 面白いですよね!
パンの神は、頭と下半身は山羊、上半身は人間の姿をしている野山の精で、人間の羊飼いの、よい遊び相手でした。
あるときパンの神は、森の妖精ニンフのシュリンクスに恋心を抱き、彼女を追いかけ回しました。シュリンクスは、パンの神から逃げようとしましたが、とうとう水辺に追いつめられてしまいました。
シュリンクスは、神々に頼んで、我が身を水辺の葦に変えてもらいました。パンの神は、水辺に生い茂る葦の中から、シュリンクスを探すことができず、やむなく諦めると、そのうちの一本を抜いて葦笛にしました。
ある日パンの神が、この葦笛を吹きながらナイルの河沿いを歩いていると、神々の酒宴に出くわし、得意の笛でみなを喜ばせていました。すると、そこへ百個の首をもつ海獣テューポンが襲いかかってきたのです。
宴会は大混乱となり、それぞれが自らの身を変えて逃げ回りました。パンの神はあわててナイル河に飛び込んだため、濡れた下半身だけが魚の姿となり、上半身はそのままで逃げのびたのでした。
その姿があまりにもおもしろかったため、天に上げられ、おどけたパンの神「やぎ座」として残されたといわれています。
http://mysteryml.com/horoscope/shinwa/capricor.html
夜空の星と星を繋ぎ、そこに物語のキャラクターを当てはめていく空想作業は、さぞかし楽しかったでしょうねえ。
それにしてもやぎ座、三角形ですよ。どうしてそれがパンの神・やぎなのか。不思議です。
ちなみに、おひつじ座なんて、4本足もトレードマークの角も模してないですからねえ。
星座の形に対して、「デッサンがなっとらん!」と怒り出す人はいないでしょうけど(笑
夜空にまたたく星々は音のカケラです。
「あ、オリオン座だ!」と、
そこに星座を見つけると、音のカケラは旋律を奏で始めるような気がします。
このように、音と音楽の関係は星と星座のようだと私は思うのであります。
ところがですね、音が自律的に音楽になる現象もあると思うんです。
●音は自分で音楽になるのか?
この宇宙において、物質がなんらかのきっかけで生命体になったように。
夜空の星は自律的に星座にはなりませんが、「音は自ら音楽になってしまうことがある」というのが私の仮説、線譜の世界です。
例えば『音楽標本』という作品は、「音楽」が自律的に活動してる様を観察して標本にした線譜です。
音楽標本4/4
音楽標本4/4
新作線譜です。
— 武 盾一郎【線譜】部屋に飾れる音楽 (@Take_J) January 25, 2020
音楽標本シリーズ
ペン画 pic.twitter.com/Lg1me8FSAH
こちらの線譜「音楽標本」シリーズは、ピカレスクギャラリーで取り扱っております。
作品紹介動画もございますので、ご覧になっていただけると幸いです。
素粒子が集まって原子ができ、いろんな原子が集まって分子になる。
音を素粒子にたとえると、そのように単音が重なってポリフォニック(和音・倍音)になる。
それら分子の連なりから生命が誕生するように、和音・倍音が動き出すことによって音楽が発生するのです。
この地球上で生命が誕生するには、数々のステップを踏まないとなりません。
地球そして生命の誕生と進化 【改訂版】:1〜3参照
それら分子の連なりから生命が誕生するように、和音・倍音が動き出すことによって音楽が発生するのです。
この地球上で生命が誕生するには、数々のステップを踏まないとなりません。
地球そして生命の誕生と進化 【改訂版】:1〜3参照
なので「音」が自律的に「音楽」になるにも、それ相応の段階があると思いますが、もし本当にそんなことが起こったら楽しいと思いませんか?
(つづく)
【武 盾一郎(たけ じゅんいちろう)/断酒194日目】
《ギャラリー13月世大使館》御予約開廊日のお知らせ
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