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【羽化の作法 64】現在編 超初心者向け瞑想入門

前回、「羽化の作法 64」となってますが、「63」でした。今回が「64」でございます。今回も、今とこれからの現在編です。


●瞑想を習慣にする

ところであなたは「瞑想」してますか? 「迷走」ならしてる、という方はいるかも知れません。

僕は2016年から「瞑想」を始めて、今は一日10分間程度の習慣になってます。時々忘れる日もあります。そんな程度のルーチンですが、一応やっております。

きっかけは、ガブリエルガブリエラの制作に追われて焦ってた時、試しに5分間瞑想してみたら、なんか気持ちが落ち着いたからでした。この「初体験」がちょこっと良かったおかげで、またやってみようと思ったわけなのです。

次の日にまた瞑想をやってみましたが、初回のようなスッキリ感は得られなくて、少しがっかりしました。

しかし、なんとなくだけど「これは習慣化させた方が良い」と直感したので、ともかく続けてみようと思ったのです。

「続ける」には難しいとダメです。ハードルを、続けられるレベルまで下げて、ゆるくするのです。

まず、「瞑想」ってなんだか高尚な感じがして難しく感じたりします。

「マインドフルネス」や「座禅」との違いは? とかが気になったりもします。また、覚えなければならないこと、呼吸法とか姿勢とかルールとかがあるのかも気になります。

さらに、思想とか哲学とか宗教とかが深淵そうなので、まずはそれらを理解しないといけないのか? というプレッシャーも湧いたりします。

僕の場合、そういう面倒臭いことはいっさいスルーして、ただ「じっとして目を瞑るだけ」にしました。

痒いところがあったらかいていいし、ムズムズしたら姿勢も動かしていい。なんとなく目を開けたくなったら開けてもいい。眠くなったら寝ても構わない。

呼吸法は自己流腹式呼吸でオッケー。別に「意識」がどうとか「感覚」がどうとかも気にしない。あえて言えば「耳を澄ます」だけ。

一日で好きな時に5分間だけ。「一服のブレイクタイム」という感じでやるのです。

ところが、「5分間だけ」というけど、いざやってみると長いんですよね。タイマーを5分にセットして瞑想をやろうとしても、ソワソワしてしまうんです。どのくらい時間が経ったのか気になったり、突然メールの返信を思い出したりして、5分も耐えられないんですよ。

そこで30秒ごとに鐘が鳴るタイマーを聴きながらやります。例えばこんな動画。

『瞑想5分・瞑想タイマー』

30秒ならなんとか持ちこたえられますよね。30秒ごとにお知らせが来ると、不思議と5分瞑想できます。

「5分間もじっとしていられない自分って本当にダメ人間だ」と凹んだり、「瞑想なんて自分に合わない」って早すぎる結論を出してしまわずに、「補助」をすればいいのです。

最初は5分でも長く感じるので、呼吸を数えました。

例えば、息を吐く時に1,2,3,4,5,6,7,8と数え、吸う時は1,2,3,4,5で吸います。呼吸の長さはその時その時の調子で変えます。なんとなく息を吐く方の時間を長くかけました。

やってるうちに30秒の鐘がうざくなって来ますので、そしたら普通に5分タイマーで瞑想できるようになります。

しばらく5分間瞑想を続けていると「10分もできるかも?」って思えるようになってくる。そしたら10分間の瞑想をします。

僕はこのYOUTUBE動画をタイマー代わりにしました↓
『10分タイマー』枡野俊明「生きるのがラクになる椅子坐禅 今日から始める禅的朝活」

しばらくは上記の動画を使っていました。そんな感じで「一日一回10分間瞑想する」習慣が身に付いて来たのです。


●瞑想はいつやる?

ところで、瞑想はいつするのがいいのか? という素朴な疑問がある。

最初は思い付いた時に、昼でも夜でも一日一回適当にやってたのですが、それだと習慣にならないと思ってました。そんな時にこんな情報を目にしました。

うつ病の新たな治療法となるか? 運動と瞑想を組み合わせた「MAPトレーニング」

「30分の瞑想と、30分の有酸素運動を実施してもらった」ところ「うつ病学生グループは、実施前に比べ症状が21%軽減した」というのだ。

どうやら「運動+瞑想」がよいらしい。そこで、散歩と瞑想をセットにすることにしました。朝早く起きて、小一時間散歩して、10分瞑想をすることにしてみたのです。

一年近くかけて制作した『星野智幸コレクション』全四巻の装幀画は、この「早朝散歩と瞑想」が支えてくれたと言っても過言ではない。

星野智幸コレクション全四巻/人文書院


散歩の最後に、公園のベンチで上記のYOUTUBE『10分タイマー』を聴きながら瞑想。しかし、テータ通信料が尽きてしまうので、違う方法を考えなければならなくなった。

ということで現在、瞑想タイマーはYOUTUBEではなく、iPhoneアプリ「calm」を使っています。
http://mirainohanashi.com/calm

「Timed Meditation」で「10minutes」と「5minites」を使っています。ほとんどそれだけしか使ってないですが、このアプリはiPhone「ヘルスケア」の「マインドフルネス時間」に反映されるのです。

ちなみに「ヘルスケア」の「睡眠分析」はアプリ「Sleep Cycle」を使っています。
http://appllio.com/app-sleep-cycle-alarm-clock

「ヘルスケア」には万歩計もあるので、「歩数」と「睡眠分析」と「マインドフルネス時間」がチェックできるんです。

余談ですが、僕がPHSからiPhoneに切り替えた決定的な理由は、「iPhoneに万歩計が付いてる」からでした。本当に。

現在は朝の散歩はサボり気味ですが、朝の瞑想はなんとなく続けています。そんな感じで、2016年、一日5分から始めた瞑想は、二年経って「朝10分の瞑想」としてゆるく定着しています。


●瞑想で何か変わるのか?

ところで瞑想をやって何か変わったのか? という疑問も当然湧いてきます。

劇的な変化は自覚してませんが、フラッシュバックは減ったように思います。ふとした時に何かを思い出して「俺ってバカバカバカ!最低!」ってなる現象です。

冷静になってみるとどうでもいいような事だったりもするのですが、思い出した瞬間に激しい自己否定感に襲われるのです。昔はこの現象が自分だけに起こるのかと思ってましたが割と誰にでもあるんですよね。で、このフラッシュバックが軽減したかなあとは思いました。

瞑想はどんな効果があるのか、気になったトピックがこれ。

瞑想やヨガの後にはエゴが著しく増大するという調査結果

瞑想は、“「自分は平均よりも上だ」と感じる自己高揚の感覚が大きくなる”ようなのです。

“自我(エゴ)を手放すことに役立つとされる瞑想やヨガ”は、実際にはその逆の効果、「自己高揚」を促進させる、というのです。“この「自己高揚」とは、自分が自信があるものについて自惚れることを意味します。”とのこと。

結論。
乱暴に言うと、「瞑想すると自惚れる」のです!

で、この「自分は平均より上だ」と思い込む「自惚れ」なのですが、実は健康と大きく関係があるようなのです。

こちらは最新の脳科学のスピーチ動画です。

『【脳科学の達人2017】山田真希子 “ポジティブ思考の脳科学”
【第40回日本神経科学大会 市民公開講座】』

この動画では、主に「ポジティブ錯覚」について述べられています。

例えば、こういう実験がありました。大学の教授に質問をするのです。「あなたの教師としての能力は平均的な教授より上か下か?」すると、94%の教授が「自分は平均よりも上だ」と答えたのです。

数学上、94%の人が平均よりも上になることはありません。つまり、大学の教授は「自惚れている」ことが分かるわけです。客観的に知的に物事を考える学問のプロでも、自分のことは見誤ってるのです。

これは大学の教授だけではなく、ほとんどの人がこういった錯覚をしているようなのです。そしてこの錯覚は「自分では認識できない」のです。だから上記のような実験結果になるのですね。

かつての心理学では「健康な人は自分のことを正しく見ている人だ」と考えられていました。しかし、今では健常な心は三つの「ポジティブ錯覚」を持つことが分かっているそうです。


1・優越の錯覚
(上記の実験のように、自分の能力や性格が平均よりも上だと錯覚する)

2・楽観主義バイアス
(自分だけは宝くじが当たる、自分だけは震災に合わないなど未来の出来事に対して楽観する)

3・コントロールの錯覚
(事象や結果を人よりもうまくコントロールできていると錯覚する)


つまり、健康な人とは「非現実的でポジティブな捉え方をする」のです。

この動画を観ていると、自分の現実を正しく認識する能力を「うつ」と呼んでるのかも知れないと思えてくる。それにしても「現実を正しく認識すると健康になれない」というのはとても興味深いですね。

で、瞑想の効果として「自惚れる」のであれば、それは「ポジティブ錯覚」を促進させてることなので、健康に向かわせてるとは言えそうです。

自己評価を低く設定しがちなあなた、瞑想はオススメですよ。
(つづく)


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【羽化の作法 63】ポスト・トゥルースと水からの伝言と私

こんにちは武盾一郎です。編集長から、昔話より今の話をもっとしなさいとお達しがあったので、今回は現在編です。


●ちょっと不思議な話の続き


「羽化の作法61 退院後のちょっと不思議な話」で書いた話。
http://bn.dgcr.com/archives/20180515110200.html

ざっくりと説明すると、好酸球性副鼻腔炎と診断されて好酸球検査を受けた。白血球である好酸球が増え過ぎてしまう「指定難病」だ。それは「軍備を増やし過ぎて苦しくなってる国家」のようだと思い、検査日までのおよそ二週間「この世に敵は存在しない」と唱え続けてみたら、好酸球値が正常になった。という話です。

再検査をして、先日6月6日に結果を聞きに行ったら、またしても好酸球が正常値だったのでした。



嗅覚が無くなったのは2年前の2016年の春頃。花粉症が酷くて匂いもしないわぁ、程度に思っていてなんとく過ごしてたら、秋を知らせる金木犀の香りがしない。これはまずいと思って耳鼻科に通い、結局2018年3月に手術に至ったのでした。

二度目の好酸球正常値の結果に、「好酸球性副鼻腔炎は治ることもあるのですか?」と先生に聞いてみたら、「そういうこともあります。ひょっとしたら突発的にアレルギー反応で鼻茸ができただけで、それが続いてたのかも知れませんね」ということでした。

何しろ原因不明で、治す方法も確立されてない難病だから、よく分からない部分も多いようだ。「難病にかすった」感じだろうか。しかし、またアレルギーが酷くなれば再発する恐れもあるので、気をつけるに越したことはない。

様々な要因が重なり合って、好酸球性副鼻腔炎になり手術して好酸球が正常化した、という一連の話だが、自分の実感としては「この世に敵は存在しない」と唱えることが功を奏した、と認識したりしている。

この「自分の認識」、つまり「主観」こそが自分にとって「真実」になる。「事実」は複合的な偶然の結果だったとしても。

そんな感触を抱いた時にふと思った。このことと、今盛んに言われている「ポスト・トゥルースの時代」とは何か関係がありそうだ、と。
https://kotobank.jp/word/%E3%83%9D%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%88%E3%82%A5%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%82%B9-1748296

そしてまた「水からの伝言」とも関係ありそうだ、とも。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AE%E4%BC%9D%E8%A8%80


●主観世界と客観世界の結び付き


ヒッグス粒子が発見されたり重力波が測定されたり、AIが登場してVRやARがどんどん出て来たり、科学と科学技術がこんなに進んで来てるのに、フェイクニュースで政治が動いたり、およそ科学とは呼べない言説がさも科学的真実のように売れたりしてる。

なんだか不思議だなあと思ったりもするけど、ずっと昔から人間社会ってそうだったのかも知れない。

ただ、なんとなくだけど、科学が取り扱う問題の変遷が社会の価値観を牽引している気もしてる。

古典力学と量子力学。

ざっくりとアインシュタインまでが古典力学になってるようだが、ここまでの科学は完璧に「客観的事実」だ。私が月を観測してもしなくても月は在り、その運行は法則から導き出せる。観測者の念で運行が変わることはないし、たとえ人類が滅びてもその法則は変化しない。

「月は私が見なくてもある」のだ。

これを乱暴に言い換えるならば「運命は決まっている」世界だ。

ところがおそよ100年前、量子力学の登場で変わる。原子にある電子の位置は「確率」でしか分からない。そして、放射性同位元素が崩壊する時刻は何時何分であるという具合に予言できない。

アインシュタインは「神はサイコロを振らない」と言ったようだけど、どうやら私という「個の運命」は決まってないようなのだ。

このようにして法則で決定されている「運命」の世界に、「確率」という「不確定性」が登場したのである。

また、量子力学から「観測」がとても問題になってくる。観測は基本「光」(の反射)を見る。量子力学くらいミクロになると、観測(の光)の影響で状態が変化してしまうのだ。

有名な『2重スリットの実験』があるが、この動画では、“観測者の存在は量子の振る舞いを変えてしまうんだよ。”と言っている。


観測者と観測対象の「関係」が浮かび上がり、「観測者」という「主体」が何なのかを考慮しなくてはならない。科学に「主観要素」が入り込んでしまうのである。

そうするす「量子」と「意識」って関係してるのではないだろうか? とすぐに思ってしまう。そんな実験が本当にあったようだ。「サイエンスZERO」という番組の動画で紹介されている。

『量子は観察者の影響を受ける』

この動画でも2重スリット実験が行われるが、かなり変わっている。スリット実験装置の横に被験者を座らせて、“ふたつのスリットの片方だけを光子が多く通過するよう被験者に強く念じてもらう。”

“もしも人間の意識が量子に作用するなら、光子の動きが変化して縞模様も変わるのではないか? と考えました。”と、いうものなのだ。

そして実験結果はなんと、偶然と呼ばれる値の変化を超えていたという。

ここで重要なことは「本当に意識が量子に影響を与えたのかどうか」ではなくて、「二重スリット」や「シュレーディンガーの猫」といった「量子力学(思考)実験」が、「人間の意識」を強く連想させてしまう点にある。

量子力学の登場によって「人間の意識」すなわち「主観世界」と、科学の「客観世界」が結び付いた。そのおかげで主観世界で起こる現象を、科学っぽく言える土台が出来てしまったように思える。

例えば「引き寄せの法則」というのがある。これは科学ではない。しかし主観世界では「引き寄せの法則」はかなりリアルに当てはまる。STAP細胞よりも再現性が高い。

「気」とか「スピリチュアル」とか、そういった主観世界のものが、量子力学や脳科学といった先端科学と結び付けて語られたりしている。それは詐欺をしたい気功師が増えたのではなく、科学が進もうとしてる方向に「気」とか「スピリチュアル」が扱ってきた「主観世界」があるからなのだと思う。

「私はこの世界を変えることができない」という世界観から「私がそう思うと世界はそうなる」にシフトして来たのが、ここ数千年の人間の世界認識の変遷のように思えたのだった。

「重要なのは《神の真実》であって事実ではない」世界から、途中「事実」と「真実」が合致した時代を経て、「重要なのは《私の真実》であって事実ではない」世界への変遷だ。「事実」は「素材」でしかない。

以上が「この世に敵は存在しないと唱えたら難病を克服した」と思い込む自分が、「ポスト・トゥルース」と「水からの伝言」に共通する何かを感じた理由である。
(つづく)


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断捨離は続く

何十年も使ってた大きなプラスチック収納ケースを10個と大量のカゴを捨てる。

大きなプラスチックのケースに適当にモノを入れ
バラバラの色形のカゴを買ってはモノを放り込んでいた。

要らないもの捨ててみると、そこにあったほとんどが要らないモノだった。
そして収納はほとんど収納として意味を成してないことが分かった。
言って見れば「保留のゴミ箱」のようなものだった。

持ちモノを大量に捨てたのだが、収納も入れ替える必要がある。
残った持ち物を確認して、収納するワゴンとケースを探し、本棚、収納棚を買う。

ワゴン、ケース、棚が揃ったら1つ1つを分類して収納する作業に入る。
分類してくところでまた捨てるモノが出るだろう。



●分類できない


ところで私は、
そのモノが何に「分類」されるのか? が分からなかった。

家のモノは「情報の扱い方」の「物理空間化」だろうから、
私は情報をタグ付けしないで記憶してるのだろう。

その事を良く捉えれば、
モノとモノにレッテルを貼ってないのでモノを巡るジャンルの横断がスムーズになる。

しかしほとんどが引っ張り出せずに忘却して無意識下に溶け込んで行く。物質的にはそれらはゴミである。

しかし、創作としては、
無意識下に溶け込んだ記憶のスープから無意識的に線を紡ぎ出して線譜にしてる。
モノを分類しないのは創作スタンスだったとも言える。

脳状態が部屋のモノとしてダダ漏れになっていた感じだ。

家の中が片付いたからといって発想が貧困になる、なんてことはあるだろうか?
むしろ想像にとっては良さそうな気がするのでスッキリ片付けよう。


断捨離は人生の再生作業だ。

【羽化の作法62】1997:段ボールハウス絵画、役者、そして神戸

1997年の後半は車椅子にペインティングしたり、商店街の店のシャッターに絵を描いたり、「デザインフェスタ」でライブペインティングしたり、新宿梁山泊公演用に段ボールハウスペインティングをしたり、イベント的なペインティングがいくつもあった。

1997年11月15・16日、デザインフェスタでのライブペインティングの写真
1997年
デザインフェスタのゲストとしてライブペインティングを行った

<ペインター>
鷹野依登久
斎藤洋子
武盾一郎

<演奏>
サンカラゴンジャ

また、コリーヌ・ブレの友人が主催するパーティに行くと、日比野克彦が来ていたり、コリーヌに黒田征太郎のオープニングパーティに連れて行って貰ったりと、いわゆる「有名人」と会うことも出来た。

しかしながら、うまく取り入って仲良くなって将来に繋げる、などという器用なことは何一つできなかったのだが。

日比野克彦さんとの初対面では、泥酔して「アートなんてギャラリーや美術館にはない! ストリートにある!(俺を見ろ!)」などと息巻いて喋っていたことだけが記憶にある。

新宿西口地下道にも相変わらず通っていた。1997年12月3日(水)制作ノートNo.12よりこの段ボールハウス絵画を描いていたことが分かった。

制作ノートNo.12
1997年12月3日(水)


●『鳴神』に役者として参加


12月、オブスキュアギャラリーでは歌舞伎役者・中村しのぶさん主催主演『鳴神』の公演が開催された。僕も役者で参加している。キョージュこと関根正幸氏のテキストでもで触れられている。

Scenes Around Me[26]東京大学駒場寮の事(5)鳴神[1]/関根正幸
http://bn.dgcr.com/archives/20180424110100.html
Scenes Around Me[27]東京大学駒場寮の事(6)鳴神[2]/関根正幸
http://bn.dgcr.com/archives/20180522110100.html

キョージュが撮った写真が見つかったのでアップ。

関根正幸氏が撮った写真・1
1997年12月
東京大学駒場寮
オブスキュアギャラリー『鳴神』
撮影:関根正幸

関根正幸氏が撮った写真・2
1997年12月
東京大学駒場寮
オブスキュアギャラリー『鳴神』
撮影:関根正幸

舞台の美術と衣装はしのぶちゃんの友人で、イラストレータの「麻子ちゃん」が担当した。衣装は凝っていて、ずっしりと重かった。

みんなで舞台の飾りを作ったり、衣装を縫ったり、稽古をしたり、文化祭のような楽しさがあった。演劇には憧れがあったので、それをほんのちょっと体験できたのはありがたかった。

主人公はしのぶちゃん扮する「雲の絶間姫」、僕は「鳴神上人」の出来の悪い二人の弟子の片割れで、コミカルな役どころだった。みんな役者さんだったり舞踏家だったりと舞台の人だったので、足を引っ張らないようにと懸命だった。

鳴神のストーリーはこちら。
http://www.eonet.ne.jp/%7Ejawa/kabuki/enmoku/narukami.html
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%B3%B4%E7%A5%9E

最後に鳴神上人が暴れて、弟子の首を絞めて投げ飛ばすのだが、怒り狂った表情の演技と僕の首を締める力のあんばいのギャップが印象的で、今でも首を絞める柔らかい手の圧力は覚えている。やっぱりそこは丁寧に気を使うのだ。

『鳴神』の打ち上げの写真
1997年12月
東京大学駒場寮
オブスキュアギャラリー『鳴神』打上



舞台が終わったらそのままオブスキュアギャラリーで打ち上げとなった。誰が撮影したのか覚えてないのだが、後日この打ち上げ写真に写ってる僕を見て、しのぶちゃんが大笑いしていたのを覚えている。ちなみに左の奥にはキョージュが写っている。

●三度目の神戸

これまでに二回ほど神戸に行った。一度目は1996年10月5日(土)〜7日(月)、占い館からのオファーで神戸に壁画を描いた。

羽化の作法[41]神戸占い館での製作と写真展への参加
http://bn.dgcr.com/archives/20170620110200.html

二度目は1997年10月4日(土)〜5日(日)、仮設住宅とテント村「しんげんち」を訪ねた。

羽化の作法[54]コリーヌと神戸行きのこと
http://bn.dgcr.com/archives/20180123110300.html

そして慌ただしく年末を過ごすのだが、その間にコリーヌにもちょくちょく会う機会があって、三度目の神戸行きが決まって行く。

コリーヌは、「僕のようなアーティストが被災地に行くべきだ」と強く主張していた。被災者たちが公園に自主的にコンテナを建て、テント村を作っている非公認避難所「しんげんち」で何かやってみよう、ということなのだ。

「なぜ神戸に行くのか?」「何しに神戸に行くのか?」「具体的な運営はどうなるのか?」「何かフォローしてくれるのか?」そういう最も基本的なことをまったく定めないで、「行ってみて僕が現場でなんとかする」というプロジェクトだった。

震災の年の95年に新宿西口地下道の段ボールハウスに絵を描き始めたのだが、震災に対しては何もして来なかった。そんな後ろめたさのようなものがあった。

だからと言って「復興アート」をやりたい訳ではなかった。被災地に行って、さも意味ありげな「アート」をやりたい訳でもなかった。

「ガチンコでぶつかってみたら何かが生まれるだろう」という方向しかなかった。そして「見知らぬ土地にポンと放り出されて何かやる」という方法は、当時の僕にとっては魅力的に感じられた。

1997年11月1日(土)の制作ノートNo.12にこう記している。
“僕は来年 神への戸をたたきに行く そして向こう側を感じとって行きたい”
(つづく)


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