「本当のこと」

本当のこと知りたいだけなのに 夏休みはもう終わり

本当の真実がつかめるまで Carry on


「本当のことを知りたい」って漠然と思ってました。 でも、「本当のこと」ってなんだろう?


【羽化の作法 110】現在編 見えないけど見える 聞こえないけど聞こえる

ところで、「盲視」をご存知でしょうか? 脳の一部が損傷して目が見えなくなる脳障害です。

興味深いのは、ライトで壁を照らして「光の点がどこにあるか」と質問すると、ちゃんと指差して答えられるのです。

当然、本人は「光の点は見えない」と答えます。「どうして答えられるの?」と聞くと、「あてずっぽう」と答えるのです。

意識では見えてないけど、光の点を捉える視覚情報処理はちゃんと行われていて、無意識では見えているのです。

視覚情報は後頭部に送られた後、位置や動きを分析する「背側視覚路(どこの経路)」と、色や形を分析する「腹側視覚路(なにの経路)」に分かれます。盲視の人は「背側視覚路(どこの経路)」は大丈夫なのですが、「腹側視覚路(なにの経路)」が損傷しています。意識は「腹側視覚路(なにの経路)」と繋がっているのです。

こちらの動画に盲視の説明があります。

55.中学生でもわかる意識のしくみ 意識の進化とクオリア
ロボマインド・プロジェクト


「盲視」は脳の損傷ケースですが、脳が損傷してなくてもこういうことは結構ありそうです。意識に上らないけど、ちゃんと分かってたりすることって。

歩いていてなんとなく右に曲がったら、左側に物が飛んできて助かったとか、そういうちょっと奇妙な体験って、誰しも一つや二つは思い出せるでしょう。「直感」とか「虫の知らせ」とか言ってるのも、わりとこれに当てはまりそうです。

私たちは意識を通してこの世界を認識していると思っています。そりゃそうですよね、意識がない状態では世界を認識するもへったくれもないですからね。

ところが、私たちはほとんどが意識に上らない無意識で、世界を認識してるのです。たとえば、椅子に座って物体のように動かなければ、お尻の皮膚の同じ場所だけに体重の負担が集中して、壊死してしまいます。なので無意識で体重を移動させて、負担を散らしているはずです。そんなことほとんど意識しませんよね。

自転車に乗ってる時、頬に当たる風の気持ち良さを感じながら、鼻歌に夢中になってたりしますよね。その時、運転はほぼ無意識でしてたりします。

私たちの無意識は、外の世界に対してかなり正確に対応して行動しています。だから「世界」を知ってるのは、むしろ無意識なのです。

それに対して「意識」は、私たちの内部で生成されています。眼前に広がる世界、生々しいこの「クオリア」、生きている実感をもたらしてくれるこの「意識」、「現実」と呼んでいるこれら世界は、本質的にバーチャルなのです。

ところで、「意識」と「無意識」のイメージ図ってありますよね。氷山の一角が海から飛び出していて、そこを「意識」と例える図です。無意識の氷は海の下に隠れています。意識は「外」、無意識は「内」というイメージです。


実は逆の見方もできるのかなと思うんです。「意識は内側で作られた閉ざされた世界」で、「無意識は外部と直接やり取りしてる開かれた世界」である、と。


●光と音のクオリア

わたしたちは目というセンサーから電磁波を入力して、脳内で世界を構築しています。

「波長によって色が違って見える」色のクオリアは、脳内での創作ですよね? 本当に不思議です。不思議過ぎて頭がおかしくなりそうです。

だって波ですよ。「波長620-750 nmあたりを赤くしようぜ〜」って一体誰が決めたんだって思いません? それに、私が見た赤の感触は他の人も同じなのか、確かめようがないのももどかしいし。



仮に電磁波の波が海の波みたく感じられるほど、私がちっちゃくなって行ったとしたら、赤く見えた光線がとあるところで色が見えなくなってしまうのでしょうかね?

音も不思議ですよ。周波数が倍だとオクターブになって、「同じ音」みたいに聞こえてしまうんですから。周波数の整数比を基準にして音階が作られているのも、なんだか不思議でたまりません。



この「電磁波の色」と「音波による音階」は、何か共通する特徴がありそうなのですが、今のところ見つかりません。知ってる方がいましたら、ぜひとも教えていただきたいです。

で、この不思議過ぎる「光」と「音」のクオリアのおかげで芸術はある。でもこれって波を見て、波を聞いてるワケですよ。

光と音を入力しても、色彩とハーモニーのクオリアを持たない知的生命体がいたとしたら、電磁波・音波という「波」を入力してうっとりしてる人類の姿を、不気味に思うかも知れません。

もし、コンピュータがクオリアを持ったとしたら、「0」と「1」の膨大な羅列を入力しながら、うっとりしてるハズです(笑)

そんなコンピュータをなんだか滑稽に感じますが、私たち人類はそれと同じってことですからねえ。

ところで生まれた時から色彩と音階のクオリアってあったのでしょうか?

(つづく)

【武 盾一郎(たけ じゅんいちろう)/断酒180日目】
《ギャラリー13月世大使館》御予約開廊日のお知らせ
・2020年7月14日(火)13〜15時
・2020年7月18日(土)13〜15時

武盾一郎の装丁画や扉絵の原画をご高覧できるように展示しております。問合せ、制作ご依頼も承っておりますので、TwitterDMにてお気軽にご連絡下さい。

・ガブリエルガブリエラ
Twitter https://twitter.com/G_G_jp
Instagram https://www.instagram.com/gabrielgabriela.jp/
ブログ「13月世の物語」
http://gabrielgabriela-jp.blogspot.jp

・武盾一郎
Twitter https://twitter.com/Take_J
ブログ「絵と空の事」
https://take-junichiro.blogspot.com/
Facebookページ https://www.Facebook.com/junichiro.take
take.junichiro@gmail.com

【羽化の作法 109】現在編 犬のうんこ踏んじゃったの法則

例えがシモネタで本当に申し訳ないのですが、「犬のうんこ踏んじゃったの法則」ってのがあります。

子どもの頃、友達とふざけながら下校してる時とか、ふとしたことで犬の糞を踏んずけてしまうことがしばしばありました。当時はまだ野良犬もいたし、飼い主もそんなにちゃんと犬の糞を片付けてなかったのでしょう。

「犬の糞」はメジャーな存在だったのです。僕はよく犬の糞にたかる銀蝿の輝きを、不思議な気持ちで見つめていました。

さて、犬の糞を踏むと大変です。「うわぁ! 武、犬の糞踏んでる! きったねー! エンガチョ!!」と言われて、友達はサーッと逃げていくのです。

ところで、汚いモノを触った後に、誰かにタッチすると「菌」をその人に感染させることができるという遊びがありました。

その時に、人差し指と中指を絡ませて「エンガチョ!」(縁を切った)と唱えると、バリアが張られてタッチできないというルールがあるのです。この自然発生的な遊びは、子どもの頃とてもポピュラーでした。

話を元に戻します。ここで「犬の糞」を踏んだ人間は二重にダメージを受けることになります。一つ目は、不本意に犬の糞を踏んでしまった自分に対する、不運や情けなさに対するダメージ。二つ目は、周りの友達から避けられ忌み嫌われてしまうダメージ。

こんなゲームが子どもたちの間で自然発生的に生じていたのです。あなたのところはどうでしたか?

これは子供の遊びと思いきや、「原型」はそのまま大人の社会に移行されています。例えば、仕事でうっかりミスをした時、ミスした自分に落ち込む上に、さらに上司や同僚から非難されたりします。ダブルショックです。

また、これは差別の原型かも知れないとも私は考えています。本人の意図しないことで受けた「何か」によって、自分でも落ち込み、かつ周りからも責められる、ことだから。

例えば、伝染病の感染、肌の色による差別は、本人の意図とは関係なく感染したり、遺伝子で肌の色が決まったりするだけなのに、社会から不当な扱いを受けてしまいます。

なんでこんな理不尽が今なお世界中でまかり通ってるのでしょうか?ひょっとしたら、人類に備わったとても根源的なものだからかも知れない。

それを私は「犬のうんこ踏んじゃったの法則」と呼んでいます。一見ライトな現象だけど、極めてヘヴィなことである、と。

現在、「コロナ禍」と「Black Lives Matter」が重なって起こってますが、これは偶然ではなく、何か重要なところが同根でしょう。

そして、ひょっとしたら今、人類はその深層部から変化する時期なのかもしれない、とも感じています。ダブルショックを受ける人を排除することが、種の保存に繋がらない。そのように、遺伝子レベルで変化が起きているのかもしれないのです。


●アラレちゃん

ところで話は唐突に変わりますが、『Dr.スランプ』(鳥山明)という漫画はご存知ですよね。あの「アラレちゃん」です。

Dr.スランプ 完全版
https://www.amazon.co.jp/dp/B002JIM70W/dgcrcom-22/

アラレちゃんは「うんち」を突っついて、棒に刺して振り回します。これには、「うんち」がそこら辺に落ちていることが前提になっている。



「ペンギン村」は一風変わった村とはいえ、当時『Dr.スランプ』を読んだ私ら子供たちの日常の中で、「落ちてるうんち」は風景として当たり前だったからこそ成立してる行為なのです。


触ると「エンガチョ」されてしまう「うんち」を積極的に扱うアラレちゃんに、私は子ども心にかなりの衝撃を受けた記憶があります。これは「穢れ」による差別意識への、天真爛漫な革命行為だと言っていい。

作者に「差別撤廃」の意図があったかは分かりませんが、例えば、「梅干し食べてスッパマン!」と言って登場する、まったく役に立たないスーパーマン・パロディキャラクタが登場したりと、ヒーロー像の逆転も描かれていることから、何か価値観を反転させようとするパワーを子供心ながら感じた気がします。

もし差別をなくそうと作品で表現するなら、「差別」を持ち出してそれに「反対」する表現ではなく、アラレちゃんのように楽しそうに「うんち」を持って共に走り出すような表現をした方が断然クオリティが高い。

「忌み嫌われていた存在」を「愛くるしい存在」にリフレーミングさせることこそが、表現の最大の魅力のひとつですからね。名作と云われる物語は、ほぼほぼこのリフレーミングをしています。

害獣でしかなかったウサギを愛らしくさせた『ピーター・ラビット』、そしてまた害獣でしかなかったネズミを愛らしくさせた『ミッキー・マウス』、気味の悪い妖怪だったトロールを愛くるしくさせた『ムーミン』、などなど。

なので私は、ゴキブリを愛くるしく描いた漫画『気分は形而上』(須賀原洋行)は名作だと思っています。
https://www.amazon.co.jp/dp/4061765183/dgcrcom-22/


手前の話になるのですが、ガブリエルガブリエラが描く『13月世の物語』に登場する精霊に「ピッピ」がいますが、虫の中でも嫌われがちな毛虫の精霊だったりします。



また、働くのが大嫌いなアリの精霊ダリズくんもいます。



この社会では排除されがちなモノやコト、そして悲しみや怒りを愛くるしく描けたらなあと思っています。


●犬のうんこを踏んだらどうする?

さて、最後にダブルパンチの「犬のうんこ踏んじゃったの法則」から抜け出す方法はないか考えてみました。

答えはこうです。「犬のうんこを踏んだら喜ぶ」

身体に悪い菌とかいるかもしれないので、慎重に扱う必要はありますが、こうなったら喜んでしまいましょう。仕事でうっかりミスしたら喜んでしまいましょう。感染したら喜んでしまいましょう。実際、肌が白くなくても、私は充分嬉しいです。まずは自ら凹むことを回避するのです。

これ、口で言うのは簡単ですがなかなか難しいです。ちょっとずつやっていきましょう!


【武 盾一郎(たけ じゅんいちろう)/断酒166日目】
ガブリエルガブリエラ動画配信開始しました!
『ギャラリー13月世大使館!001:御予約開廊日』


これからは「13月世の物語」や「作品解説」も動画にしていこうと思います。

《ギャラリー13月世大使館》御予約開廊日のお知らせ
・2020年6月27日(土)13〜15時
・2020年7月14日(火)13〜15時・16〜18時
・2020年7月18日(土)13〜15時・16〜18時

武盾一郎の装丁画や扉絵の原画をご高覧できるように展示しております。問合せ、制作ご依頼も承っておりますので、TwitterDMにてお気軽にご連絡下さい。

・ガブリエルガブリエラ
Twitter https://twitter.com/G_G_jp
Instagram https://www.instagram.com/gabrielgabriela.jp/
ブログ「13月世の物語」
http://gabrielgabriela-jp.blogspot.jp

・武盾一郎
Twitter https://twitter.com/Take_J
ブログ「絵と空の事」
https://take-junichiro.blogspot.com/
Facebookページ https://www.Facebook.com/junichiro.take
take.junichiro@gmail.com

日刊デジタルクリエイターズ「羽化の作法[109]現在編 犬のうんこ踏んじゃったの法則」より

【羽化の作法 108】現在編 その音楽は温かいか冷たいか?

もう6月だなんて信じられます? 
さて、今回はちょっと前々から気になってたけど、言葉にしてこなかったことを書いてみようと思います。

そうです。ノイズの温度・湿度の感覚についてです。みなさん、常日頃、疑問に思ってましたよね。


●ロックの温度

かなり昔になりますが、誰かが言っていて、ものすごくガッテンがいったことがあるんです。
それはアイルランドのバンド「U2」のカッコ良さについてなんですけど、

「気温が低い冷たい空気の音がする(からカッコ良い)」

って言ったんです。
それを聞いた時私は、「確かに!!!」と膝を叩くほどに直感的に納得したんですよ。
とりあえずU2を一曲聴いてみてください! 

U2 - Pride(In The Name Of Love)


ウットリしますよねえ。いま聴いてみると、冷え切った空気が澄み渡る感じるというよりも、懐かしくて胸がほんわかと暖かくなってしまうのですが。。けど、あの時は「すごい! 確かにその通りだ!」って心底実感したのです。

ネットのない時代、洋楽の情報は主にテレビの「ベストヒットUSA」でした。あとラジオがありましたね。まだ見ぬ国からの音楽に、日本の歌謡曲にはない音を感じ、思いを馳せていました。今よりもずっとずっと、海外に対する空想が広がっていたのです。

この音楽に対する温度・湿度は、個人的な体験からくる感覚でしかないのでしょうか? それともなんらか普遍性があるのでしょうか?

まず、昔の音楽は温かく、最近の音楽は冷たくなる傾向があると思います。これは記憶の地層の奥にいくほどに温まっていくものなのか、それとも本当に昔の音楽には温かみが存在したのか、どちらなのか検証していきましょう!

ということで、往年の名曲『ジョニーBグッド』を聴いてみましょう。オリジナルは1959年です。

Chuck Berry - Johnny B. Goode


懐かしいですねえ。いや、生まれてないですけどね。やっぱりU2より温かい感じしますよね。

では、1985年、映画『バック・トゥ・ザ・ヒューチャー』でマーティ(マイケル・J・フォックス)が演奏する『ジョニー B グッド』を聴いてみましょう。ひんやりするのでしょうか?

Johnny B. Goode - Back to the Future (9/10) Movie CLIP (1985) HD


ギターとボーカルの音が、マイケル・J・フォックスの方が柔らかいというか、温かい感じがしてしまうのですが、どうですか?

ちなみにこの曲の面白いところは、ギターは8ビートなんだけどリズム隊がシャッフルで跳ねていて、リズムが混ざってしまっているところなんだと思うんですよね。

特にチャックベリーのギターソロに入る前に、ピアノのリズムが跳ねて連打してるのがすごく効いてる! この、つぶれた等間隔の8ビートのギターと跳ねてるドラム。これがジョニー B グッドなんですよ。

この曲はよくバンドがカバーしてるんですけど、全パートが普通にちゃんとした8ビートになってることが多くて、内心「ちげーよ!」って思ってしまうのです。
しかし、映画『バック・トゥ・ザ・ヒューチャー』での『ジョニー B グッド』は、ドラムがちゃんとシャッフルしていて、すごく嬉しかった記憶があります。

『バック・トゥ・ザ・ヒューチャー』では、曲の後半でマーティが調子に乗ってギターソロを弾きまくってドン引きされるオチなのですが、この後半のギターソロがノイズ的で、私はとても好きだったのです。

といったところでなんと、BOØWYが演奏してる『ジョニーBグッド』らしき動画を発見!

BOOWY / JOHNNY B. GOODE(1984)


ボーカルは氷室京介さんっぽいし、ギターの音は布袋寅泰さんですよね?これ。うーむ、本物・・・? 貴重だ。8ビートで疾走していますね。うん。シャッフルしてなくても良いですよ(笑)

ボウイのジョニーBグッドを聴いた後にチャックベリーのを聴くと、なんか温かく感じます。8ビートよりもシャッフルしてる方が、音楽が温かくなるのでしょうかね。

さて、ここからが本題です。ここまでは、いわゆるロックという「楽曲」に温度を感じるか? を検証してきましたが、ノイズに温度を感じるか? に入っていこうと思います。

その前に「音楽」とはなにか、についてちょっと触れておきます。


●音楽とは?

私は【線譜】と名付けた音楽の線画を制作していますが、音楽といってもほとんどがノイズ、アンビエントなんです。ドレミという音階で構成された楽曲だけが音楽ではありません。むしろ、クラシック音楽から現代のポップスまでを含めたメロディが明確な人為的構造を持つ楽曲は、音楽のほんの一部でしかない、というのが私の音楽観です。

例えるならば、私たちが見て触って知っている「物質」が、宇宙全体からしたら5%しかないのと同じです。


http://www-sk.icrr.u-tokyo.ac.jp/xmass/darkmatter.html

加えて、「聞こえない音楽」というが音楽の大半を占めているのです。聴こえない音楽とは古代ギリシアから生まれた音楽観で、音楽には三種類ある、というものです。このことについては何度か書いてるのですが、何度書いても良いと思うのでまた書きます。

1.ムーシカ・ムーンダーナ(宇宙の音楽:天球が発する音楽)
2.ムーシカ・フマーナ(人間の音楽:人体が発する聞こえない音楽)
3.ムーシカ・インストルメンターリス(器楽の音楽:人間が作る聞こえる音楽)


この3つの音楽のうち、人間に聞こえるのは「3」だけなんです。しかも「3」について、それ以外の音楽があると私は言いたいのです。

風に木々が揺れる音、川のせせらぎ、鳥の鳴き声、人間以外がつくる音も音楽です。そこに車の音、人々の足音や喋り声といった人間の出す非楽曲な音が混ざったとしても音楽です。

まとめるとこうなります。

「音楽」には
「I.聞こえない音楽」と「II.聞こえる音楽」がある。「聞こえない音楽」には「I-1.ムーシカ・ムーンダーナ(宇宙の音楽:天球が発する音楽)」と「I-2.ムーシカ・フマーナ(人間の音楽:人体が発する聞こえない音楽)」がある。

「II.聞こえる音楽」には「II-1.人間以外が出す音楽」と「II-2.人間が出す音楽」がある。「II-2.人間が出す音楽」には「II-2-1.楽曲」と「II-2-2.非楽曲」があり、普段「音楽」と呼んでいるものは「II-2-1.楽曲」に限定されているのです。

私がノイズ・アンビエントと言った場合、「II-1.人間以外が出す音楽」と「II-2-2.非楽曲」を指します。


以上を踏まえてノイズミュージックの温度を感じる旅に出てみましょう!


●ノイズの温度

皆さんもそうだと思いますが、ノイズグループと聞いてまず思い浮かべるのはSPKですよね。早速一曲聞いてみましょう。

〈SPK〉
SPK - Despair


オーストラリアなんですよね。「インダストリアル」とか呼ばれています。リズムはしっかりあるんですよね。テクノっぽい感じの曲も多くあり、ノイズとテクノは同時に進化してきたことがよく分かります。この曲が入ってるアルバム『Leichenschrei』が1981年、YMOの『ライディーン』は1980年です。

ちょっと温かくて、モワッとした湿度もありそうな感じするんですけど、お酒にたとえると熱燗で、呑む瞬間に湯気がふわっと唇に当たる感じの温度と湿度ですが、どうでしたか?

ノイズはアルバム通して聞いた方が味わえますので、ぜひアルバムを通してお聞きください!

SPK - Leichenschrei(Full Album)



〈アインシュテュルツェンデ・ノイバウテン〉

そして次は期待通り、やっぱりノイバウテンですよね。

Einstürzende Neubauten - Kollaps


西ベルリンなんですねえ。SPKと同様にリズムがあるんですよね。ノイバウテンといえば鉄板を打ち付ける「メタルパーカッション」なのですが、お金がなくてドラムセットを売ってしまったので、仕方なくそこらへんの鉄板の廃材を音源にしたのが始まりらしいです。

苦境によって表現が限定され、ひるがえって表現のイノベーションや個性が生まれる。これは多くのクリエイター、アーティストが体験してきたことだと思います。恵まれてさえいれば良いワケじゃあないところが、表現の面白いところなんですよね。それにしても、重くて暗い音楽にドイツ語の響きって合うのよねえ。

私はSPKよりもノイバウテンの方が温度が低く感じて、お酒に例えるとややぬる燗っぽいんですけど、どうでした?

なんとノイバウテン、今年ニューアルバムを出していますので紹介します。

Einstürzende Neubauten - Ten Grand Goldie(Official Video)



ところで、ノイズは海外にしかないのでしょうか?
いいえ違います。
むしろ日本の方がノイズ大国だと言っていいでしょう。しかも、かなり激しいノイズが目白押しなのです。


〈MASONNA〉

ではまずマゾンナをお聞きください。

MASONNA×最高音響2011 10 22@SUNSUI


絶叫と怒涛のノイズ、そして思わず釘付けになるほんの1〜2分のパフォーマンス。すごいですねえ。でも、現場に聴きに行く勇気はないかもですが。。。先ほどの海外の2グループと違って、リズムすらありません。とても抽象度の高い純度の高いノイズです。

全身を使った絶叫パフォーマンスなので、温度は高く感じそうですが、ノイバウテンのリズムの方が温かく感じます。マゾンナのノイズ抽象度の高さが、ひんやり感を出している感じです。

お酒にたとえると熱燗、といっても「ひとはだ」温度。ノイバウテンもぬる燗でほとんど同じなのですが、おちょこがノイバウテンよりひんやりしてる感じです。さらに、おちょこの中には細かい氷と火花が散りばめてあって、スパークして刺さるような冷たさと熱さがある感じです。

ちなみに、時代を遡って80年あたりでは、もっと危険なノイズのライブがありました。そう、あの有名なハナタラシです。

ハナタラシ



70年代後半から80年代前半、パンクとテクノとノイズは相補的に絡み合いながら進化します。
70年代の「ロック」はハードロック、プログレッシブロックなどに進化しますが、「楽曲」のテイがしっかりしてるのです。
ところが、ノイズはロックから離脱してしまうんですね。そこが「アート」っぽいんです。

この動画のハナタラシはパフォーマンスは過激なのですが、ちゃんとしたドラムセットを使ってるようです。ドラム缶やら物やらを投げてる音を重ねているのですが、バンド形態の痕跡もある。その後、ボアダムスなどの活動をしますが、リズムをとても大切にしていて楽曲的です。

The Boredoms -77BOADRUM


シャウトや破壊音のみ、といったリズムすらないノイズを継承し、純化していったのがマゾンナなのでしょうね。

リズムすらない純度の高いノイズの元祖といえば、皆さんご存知の「非常階段」です。


〈非常階段〉

非常階段 Hijokaidan - live in Shibuya, Tokyo 1987


多分、人によっては、単なる拷問でしかないかもしれません。私も昔は好んで聴いたり、またはこのような音楽を目指して音を出したりしていたのですが、今聴くと、やっぱり少し頭痛と目眩がしてきます。

しかし、どうも私には「純度の高い抽象画」に感じるのですよ。その感覚が自分にも不思議でならないのです。

温度はマゾンナより低めに感じます。割とクールです。お酒に例えると常温です。どう思いますか?

ここまでノイズの大御所、誰もが知ってる超メジャーなグループや人たちを紹介してきました。

え? 知らない? そんなことないと思うんですけどねえ。。。

ではですね、NHKの『あまちゃん』ならご存知ですよね。そのオープニング音楽で有名な、あの大友良英さんだったら知ってるでしょう。


〈大友良英〉

あまちゃんオープニング


大友さんはそもそもノイズの人なんです。1997年に一度だけコラボレーションしたことがあります。その時の動画がアップされてますので紹介します。


新宿夏まつり 1997. 8. 17(大友良英プロジェクトwith武盾一郎)


ちなみに、ステージバックの巨大な絵も私が描いております。ただ、この動画ではノイズが途切れ途切れになので、まとめて聞ける動画を紹介します。


Otomo Yoshihide guitar solo Tokyo 1994


なんでしょうねえ、リズムもない全編ギターノイズなんですが、優しいんですよねえ。。。あったかいんです。お酒に例えると、寒い冬にはんてんを着てコタツに入り、大きめのぐいのみに温かい日本酒をなみなみと注いで「んぐんぐ」と呑み干して胃の中までフワーッと温まるような、そんな感じしません?

以上、ノイズの温度について検証してきましたが、ノイズは総じて温かい感じがする。というのが私の印象だったのですが、いかがでしたでしょうか。

ノイズには子宮胎内にいた頃の音と共通する音が、たっぷりと含まれていそうです。また、森の中に入ると聞こえてくる鳥や虫たちのジージー、ギーギー音と超音波。多分、それらの音の成分が温かさと結び付いてるのではないかと私は考えています。

最後に名ギタリスト、デレクベイリーの名演奏を聞いて終わりにしたいと思います。最後までお読みいただきありがとうございました!


Derek Bailey


【武 盾一郎(たけ じゅんいちろう)/断酒152日目】

《ギャラリー13月世大使館》
6月27日(土)13〜15時、御予約開廊日があと一枠だけあります!
https://gabrielgabriela-jp.blogspot.com/2020/05/blog-post.html

武盾一郎の装丁画や扉絵の原画を、まとめてご高覧できるように展示いたします。その他に観たい原画、制作ご依頼も承っておりますので、TwitterDMにてお気軽にご連絡ください。

・ガブリエルガブリエラ
Twitter https://twitter.com/G_G_jp
Instagram https://www.instagram.com/gabrielgabriela.jp/
ブログ「13月世の物語」
http://gabrielgabriela-jp.blogspot.jp

・武盾一郎
Twitter https://twitter.com/Take_J
ブログ「絵と空の事」
https://take-junichiro.blogspot.com/
Facebookページ https://www.Facebook.com/junichiro.take
take.junichiro@gmail.com

日刊デジタルクリエイターズ「羽化の作法[108]現在編 その音楽は温かいか冷たいか?」より








Amazonで返品したけど返金されない!と、困っている方へ(楽天カードの場合)

去年の12月にプロジェクターをAmazonで買いました。
1万円を切っていてすごいな、と思ったのです。

到着して試してみたら、暗いし、メニュー画面は間違った変な日本語だし、とてもじゃないけれど使えないと判断して返品しました。
購入は楽天カードでJCBです。

Amazon側では返品処理も返金処理も完了したと記述されていまが、そのあと、楽天銀行の明細をいくら見ても返金分が振り込まれた形跡がないのです。

Amazonに問い合わせると、返金処理してるので楽天カードに問い合わせてくださいとのこと。

楽天カードに問い合わせると、電話が混み合って全く繋がらない。
自動的に切られてしまう。

10回目でやっと「オペレーターに繋げるのでしばらくお待ちください」というところまで漕ぎ着けたけど、そこから30分以上待ってもオペレーターは出てくれない。
合計、12回電話をかけて諦めて途方にくれてました。。。



しかし! 解決しました!!!

スマホの「楽天カード」アプリから、利用した月を表示させて、「ご請求の内訳」をタップするのです。

1.「楽天カード」アプリを立ち上げる

2.年月をスライドさせて返品した月を表示させる


3.「ご請求の内訳」をタップ

4.確認する

なんのことはない、ちゃんと返金されていました。
という落ちでございます。

例えば、「楽天銀行」WEBサイトの「入出金明細」を見ても返金の記述はないので、「返金されてない!?」と、困ってる人がいるかと思い、ブログに書かせて頂きました。
お役に立てれば幸いです。