『夢宮殿』イスマイル・カダレ (東京創元社) |
気になっていた『夢宮殿』を読んでいたので忘れてしまう前にメモ。
脳に浮かぶのは「夢宮殿」=〈タビル・サライ〉の建造物の中の様子。夢を集め分類検討する役所の建築物。
高い天井と、ほの暗い灯り。ずーっと続く廊下、並ぶ同じ扉、響く靴の音・・・
どんな建物なんだろうなあっと思うのだけど、著者イスマイル・カダレはアルバニアの人。
アルバニア?
位置も形も政治・文化状況も思い付かないのですが、
調べてみると場所はギリシャの近く。
(政治状況はかなり複雑なようですが、街の景色が美しい!)
https://goo.gl/maps/vpGhhcUCKaKguFGT8
なのでやっぱり古代ギリシャ建築風なんだろうなあ、と。
または、コロッセオ風かなあ、と。
Diliff - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 2.5, リンクによる
憂鬱でありながら、美しい風景。淡々と静かに描写されていく映像が思い浮かびます。
めっちゃ綺麗な映像で映画になったらいいのになあ。
でも、あんまりヒットしないかな? 映画になったとしても単館映画系かなあ。
私だったら観に行くんだけどなあ!
そんなことを思ったのでした。
(以下ネタバレ)
また、本を読み進めながら、なぜか同時に日本のアニメ「AKIRA」や「メトロポリス」を思い出したのでした。
「夢を集める役所がある」というSF設定で物語が進むなら、例えば日本の場合だと「AKIRA」や「メトロポリス」のように、クライマックスで壊滅的な建築物の破壊がある。
なので「夢宮殿」の物語に緊張感が高まり、クライマックスに向かっていくにつれ、建築物〈タビル・サライ〉が美しく全壊することを期待してしまったのだ。
しかし、〈タビル・サライ〉はなんともないのである。
日本の物語はやたらと建築物が壊れる。
これはきっと世界的に標準的な表現ではなくて、太平洋戦争での原爆や大空襲、そして地震、津波などの天災で丸ごと街が崩壊してきた歴史と関係しているのかもなあと思ったのでした。
小説とアニメを比較するのもアレだけど。。。
ともかくハッとさせられた感じがしたのです。
異国の文化に触れるって本当に大切。
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