関根正幸個展『記録魔 ─関根正幸のお蔵出し─』
会期 2014年7月19日 〜 8月3日(土日祝のみ)
時間 13:00 〜 19:00
会場 アートスタジオDungeon
キョージュこと関根正幸氏の初個展が板橋本町にある地下スペース「アートスタジオDungeon」で開催されます。(参照:地下室ブログ)
キョージュは庚申塔の写真を撮り続けています。他にもオルタナティブなアートやイベントに出かけて写真を撮っています。写真の数は膨大です。また、中山道の研究もしています。どこにでも自転車で行きます。
「チャリンコ」と「写真」がキョージュの大きな特徴です。と、説明しても分かりにくいのですが(笑)
彼とは出会ってかれこれ20年近く経ちます。AKIRAさんというアーティストの倉庫で行ったイベントで出会ったのかな。
キョージュは別に「表現者」だと自己主張するわけではなくイベントに混ざってる感じでいつもいました。
その後、主に東大駒場寮「オブスキュア」ギャラリー周辺で会うようになります。その頃には既に写真を撮り始めていたのかな。
「キョージュ、写真下手くそだなー」なんてキョージュの写真をからかったりした記憶があります。
キョージュはともかく写真を撮り続けていました。
面白いな、と思ったのは「写真が上手にならない」んです。
普通、おっさんがカメラをいじりだすと決まって「上手」に「キレイ」に撮ろうとします。
キョージュはただひたすら撮って、撮った人に写真をあげる、という行為を繰り返していました。
ある時キョージュの写真がすんごいカッコよくなってるんです。
オルタナティブなアートイベントを撮ってることが多いんだけど、そういう狭い空間の圧縮された熱量を、ヒリヒリとザラついた空気感を、冷たい目で捉えてる、そんな感じ。
キョージュの視点でひたすら撮っていたのでしょう。量を撮ることで自分の視点の「美の形」に近づいた、というか。
この20年のオルタナティブなシーンをどんな批評家たちよりもキョージュの方が知ってる可能性は高い。というか、確実に日本で最もアンダーグラウンドに詳しいはずだ。
そういったカルチャーを体系だてて文化論でも打てば相当面白いはずだけど、それをしないところがキョージュらしい(笑)
多分、文化論を語ることに意味を置いてないだろうし、あと、キョージュの頭脳の問題もあると、思う。
キョージュはああ見えて、超秀才です(笑)。というか、ちょっと天才が入ってます。
例えば、僕のような凡人は何かに触れると「好き嫌い」で優先順位を決めて処理します。ところがキョージュはありとあらゆる事象をソートせず並列処理してる感じがします。
ひとつのことを説明する場合、大抵の人はざっくりと大きい問題をポンと言って枝葉の問題は捨てます。キョージュの場合ひとつのことにまつわる全データが無差別に並んでいて同時に処理してると思われる。
なので例えば、「A」を説明する時に「A」にまつわる全ての事象の端っこから、「えーっと、えーっと…」とどもりながら説明を始めるんです(笑)
30分くらいじっと話しを聴いてるとようやく質問の「門」のようなところにたどり着きます。
キョージュのそんな話し方を目の当たりにした時、僕は「あ、この人天才だ。。」と思ったのです。
アンダーグラウンドなアートシーンの人たちだけを撮りまくってるだけでも凄いけど、キョージュの凄さはそれだけではないんです。道祖神、庚申塔という、ほとんど誰も見向きもしない道端の風化したオブジェを撮りまくるのです。
面白いですねー。本当に。
僕は今回、コラボレーションさせてもらってます。
上尾の原市に「原市アースカフェ」という今はもう閉店してしまったのですが、カフェがありました。原市アースカフェさんには2011年から作品を置かせて頂いていてお世話になったカフェです。
そこの敷地に庚申塔があってキョージュもその庚申塔の写真を撮っています。その僕の地元ゆかりの庚申塔の字体を線譜にしました。
庚申塔のフォントが面白いことに気が付きました。
これは横文字にしたらまるでグラフィティのようなフォント感ではないか。何しろ道端にある「文字」だなんてグラフィティの定義そのものではないか。
なんだろ、この字体のカッコつけた感じ!
かぶいてるよね。
ヤンキーっぽさもある。
日本のグラフィティの起源としての庚申塔。ヤンキー的造形の起源。江戸時代からあったストリートのスタイル。
僕はそんな想いで線譜『庚申塔』を描いてみました。
ギャラリーは地下室なのですが、そのスペースそのものも面白い。
写真を撮り続けて15年以上、初めての展覧会。
関根正幸個展『記録魔 ─関根正幸のお蔵出し─』
なんだか自分が嬉しくなったりしてますね(笑)
ぜひぜひお立ち寄りくださいませ!
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿