前回「リサージュ図形」について書きました。
こんな方法で音を観察した話です↓
「羽化の作法[100]現在編 音と形の関係を追いかける!」より
これの現代版のようなものがありましたので、紹介しておきます。
「音とレーザーの共鳴。“和音”を視覚化するレーザーイルミネーションが厨二心をくすぐってくる件」
https://originalnews.nico/204439
動画はこちら
https://www.nicovideo.jp/watch/sm33747966
二つの周波数が混ざると、厨二心がワクワクドキドキするんですよね。
ひょっとしたら、他人と協働するコラボレーションの面白さって「周波数が合う」同調ではなくて、異なる周波数を合わせた時に起こる、意外なカタチの生成なのではないでしょうか。
異なる周波数を合わせると、「時間を伴ってカタチが生まれる」ので、ここに「時間軸」が発生します。プロセスそのものが、美しいカタチを生成させているのです。ハーモノグラフが描く図形のように。
Harmonograph at Museum of Science Boston
たぶん私たちは、音に例えると一人一人周波数が違うんです。というか、実は例えなんかではなくて、私たちはそもそも「音」なのかも知れません。
といっても、単音ではないでしょう。いくつもの音が鳴り響いているのです。そしてハーモノグラのように、時間に伴って変化する軌跡がカタチを作るのです。私たちはたった一人でも、美しい音の図形を描いてるんですよ。
それが他者と合わさって、さらに意外な美しさをカタチ作ることがある。それを「シナジー効果」と呼んでいるのかも知れない。これら周波数の違いが合わさって、カタチを形成する営みが「音楽」の元祖のように思えても来るのです。
つまり、こういうことです。
「なんで私たちは音楽を愛でるのか? それは私たちがそもそも音楽だから。」
なんかロマンチックっぽいこと言って、オレ素敵アピールしてる感じですが、これがまた割と本気でそう思ってるのです(笑
音が形を作り、作られた形からまた音が生まれ、生まれた音がまた形を作る。こんなことを繰り返して、私たちの「セカイ」はできているような気もするのです。
そして、この「音と形」と「意識の謎」をミックスさせて、線譜にしようと日々考えているのです。
●意識について
意識の謎についてのテキストは、なんと言ってもケバヤシ(GrowHair)さんが第一人者であります。デジクリ『Otaku ワールドへようこそ!』でたっぷり読めます。
http://bn.dgcr.com/archives/GrowHair/
かなりガッツリ数学の話になったりするので、難しいところはあるのですが、この国の意識に関する研究発表をくまなくフォローし、一般向けのテキストを公開してるのは、ケバヤシさんくらいではないでしょうか。
意識の謎について哲学側(ざっくり言うと数学と再現性を使わない系)から突破するのは、ちょっと無理っぽい感じがあります。悲しいかな。
かなり乱暴に言うと「哲学は現象学が出て突破口を切り開いたけど自ら崩壊した」印象がある。まあ、私の勝手な印象です。
ケバヤシさんのテキストでも、科学と哲学について言及されています。
▶︎ 哲学者に雷を落とした物理学者・谷村省吾氏に聞く:意識の謎について
▶︎ 「谷村ノート」にみられるすれ違いの根っこにあるものは?
そもそも「科学」とは「哲学」の中の一つだったのに、どうしてこうなってしまったのか。。。
ただ、現在だって「哲学する」「思考する」「自分の頭で考える」ことはとても大切なので、哲学が滅びてしまうのはよくないですよね。
そして、アートは何ができるのか?
かつて、風は風神様が起こすと思われていました。雷は雷神様です。今では風や雷を起こすのは、風神でも雷神でもないことが科学的に分かっています。そんな今でさえ、風神と雷神の絵を見るとワクワクドキドキします。
風神雷神図:俵屋宗達 |
いや、別にワクワクドキドキしなくてもいいんですけどね。だけど、もう風神も雷神も科学的にはいないんだって分かってる今だからこそ、風神雷神図が魅力的に見えてしまうってありませんかね?
他の例えだと、天動説の図版を見ると妙にグッと来るとかね。
wikipedia「天動説」より |
アートは正しさを求めるものではありませんからね。そして、再現性があるものでもないんですよね。でも、アートと科学が出会う場所はもちろんあります。
●私の意識観
今の時点で、私は「意識」を以下のように捉えています。意識はまだ科学的に解明されてないので、たとえ間違っていても今なら恥ずかしくない、はず(笑)
そもそもこの宇宙は「意識」でできているんです。
今いるこの空間も実は「意識」で満たされているんですよ。
時空四次元をすっぽり包むようにあるか、または素粒子より微小な故に埋め尽くされているのか、そのどちらでもあるようなイメージです。
で、私たちはこの時空四次元に限定された領域を認識しているのですが、死ぬとその満ち満ちた「意識」の領域に帰るのです。
この「意識」は「霊界」とか「魂」に置き換えてもいいんですよ。
あ、なんだかすっごい普通だな(笑)
で、その「意識」の正体はなんなのかって言うと、それが「音楽」なんですよ。
「絵」と言うと、この時空四次元にある、物体、風景や静物、生命体(人物や動物や植物)を基にして描くもののように思いがちですが、意識であり霊であり魂である「音楽」を基にして描く人もいるのです。
●音楽を描くアプローチをしてる人 utena music field
https://utenamuse.mimoza.jp/
「音楽を描く」というアプローチで、活動してる方はもちろんいます。現在、私が気になっている方を紹介しようと思います。ツイッターで相互フォローしている、utena music field の谷中みか@ito_tohari さんです。
ウェブサイトのコンセプトには、「音楽は音がなるまえにうまれている」とあります。ドキッとしますね。
https://utenamuse.mimoza.jp/methodology/utena-music-field-2/
音楽教室なのですが、そこで音楽を描くワークショップを開催しています。いつから谷中さんを知ったのか覚えてませんが「音楽を描く」活動をしてる人がいるなあと、ブログを読んでいた記憶があります。
前回のデジクリ「羽化の作法[100]現在編 音と形の関係を追いかける!」をツイートしたら、「興味深い」と引用RTしていただきました。
興味深いです。 https://t.co/axHsIZOhe4— 谷中みか/utena.m.f (@ito_tohari) January 28, 2020
そこで私は聞いてみました。
“ところで、ちょっとお聞きしたいと思ってたことがあります。曲を絵にするワークショップなさってますよね、その時例えばバッハのこの曲だと誰が描いてもこういう絵になるなど、顕著な傾向ってあるのですか?”
最も重要なのはやっぱり人と人とのコミュニケーションなんだと思いますよ。— 武 盾一郎【線譜】音楽描き (@Take_J) February 8, 2020
ところでちょっとお聞きしたいと思ってたことがあります。曲を絵にするワークショップなさってますよね、その時例えばバッハのこの曲だと誰が描いてもこういう絵になるなど顕著な傾向ってあるのですか?
そしたら、noteに質問に対する記事を書いて頂いちゃったのです。お手数お掛けしました。有り難い限りです。
『お返事です。』
https://note.com/utenamuse/n/nae2305ee760b
でも、例えばバッハの平均律の1番のプレリュードなんか、よくワークに使うのですが、うまく捉えられなかった人が、その流れをつかめる様になるときって、なにかその曲特有の質感を掴んだときだったりします。そういうときは、だんだんに互いが似てくる、ということはありますね。動き自体が。そうゆうふうに誘導することもあります。
でも、動きが同じで、フォルムが似てきても、ちょっとした曲率が違っていたりするんです。それはその人の身体的なものや気質なんかも現れてくるので、その曲とその人との間に生まれた動きなのです。それでもそれらが連動しあってるのを見ると楽しいです!
曲に対するドローイングの傾向はあるのだろうけれど、そこはあんまり意識し過ぎないようにしている、という感じでしょうか。
先入観を持ってしまうことの方が危険、というか。形式を定めてしまう瞬間に大切な何かが死んでしまう、自由をキープしていたい。個人の能動性やプロセスを大切にしたい。そんなステキな印象を受けました。
この記事で西洋音楽について触れていて、「私は、時間の中に空間性を数学的に埋め込んでいったものさしをもっているのが西洋音楽だと思っています。」と書いていあってハッとしました。
ちょっと異次元な時間建造物みたいなSFっぽいイメージが浮かんだのです。そしてまた「西洋音楽はその多相で立体的なところがまんま生命なのですが、」と書かれていて、西洋音楽とは構造物でありかつ有機生命体である、と。なるほどなあと思った次第なのです。
今月21日に、都内でワークショップがあるので「音楽を描くワークショップ」を体験してこようと思います。
【武 盾一郎(たけ じゅんいちろう)/断酒38日目】
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日刊デジタルクリエイターズ「羽化の作法[101]現在編 音楽と意識と絵/武 盾一郎」より追加修正
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