ビアズリー世界のタムちゃん 15 オスカー・ワイルドの肖像画編


ネズミに恋したネコのタムちゃんシリーズ
『ビアズリー世界のタムちゃん 15 オスカー・ワイルドの肖像画編』(2022年デジタル作品)
音楽:Naoko Shibuya 『あの場所へ』

ビアズリーはオスカー・ワイルドの肖像画を複数描いてまして、最初はこちらです。
オスカー・ワイルドはイギリス(アイルランド出身)人ですがフランス語で「サロメ」を執筆します。
この本の挿絵を担当したのがビアズリーで、お陰でブレイクするんですね。
ところがオスカー・ワイルドはビアズリーのジャポニズムな挿絵が気に入らなかったそうで、
「僕の劇はビザンチンなのに彼の絵はあまりに日本的だ」と言い、さらに
「ませた子どもが習字帳の余白に描く落書きみたいだ」と、言い放ったそうです。
ここで、「ビアズリー可愛そう!」って思うところですが、ビアズリーもトンガっているんです。

なぜこんなに本まみれなのかと言うと、
フランス語でサロメを執筆したオスカー・ワイルドは
「フランス語の参考書は一つも見る必要はなかった」と言ってたのですが、
この本の山は「フランス語入門編」だとか「フランス語の動詞変化」だとかのフランス語の参考書なのですね。
つまり、
「参考書を一つも見る必要がなかった、なんて盛ってんじゃねえよ、おっさんがよお、隠れてめっちゃ本読んで調べてるだろうが、ケッ!」という絵なんですよ。
(参照:〇〇歳で死んだ!?サロメの絵のモデルは日本!?鬼才オーブリー・ビアズリーの絵画世界はグロテスクで耽美だった
パンクですねえ、ビアズリー。

ちなみにこのオスカー・ワイルドを元にしたのが『ビアズリー世界のタムちゃん』の2作目で、こちらになります。

なので、ビアズリーとワイルドは犬猿の仲なのですが、なぜか肖像画はもう一枚ありまして、
そのもう一枚の方が今回のタムちゃんのモチーフとなってます。

なんともいえない硬い表情なのですが、仲直りしてるような感じもします。
パンクバンドのスターリンが出てきた時に、YMOのことを「あんなのロックじゃねえ!」と罵倒してて、YMOの坂本龍一とスターリンの遠藤ミチロウは犬猿の仲だったのですが、
ミチロウの最晩年、一緒のステージに立って、なんのステージかは定かではないけど、2人が手を取り合ってぎこちなくバンザイをした瞬間があったと思ったんけど(ひょっとしたら妄想かも知れませんが)、そんな心情を思いました。

『ビアズリー世界のタムちゃん 15 オスカー・ワイルドの肖像画編』


この作品はデジタル作品なので原画ではないのですが、
タムちゃんの原画が観たい、または購入ご希望の場合は
ギャラリー13月世大使館」にてご覧いただけますので、
お気軽に
武盾一郎のツイッターDM
ガブリエルガブリエラのツイッターDMにて
お問合せください。


最後までお読みいただき有り難うございました!

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