期待と不安のApple「VisionPro」ニュース


私は「マカー」である。
Power Macintosh 7500」、「Power Macintosh 8100」から使っていたし、
今あるIT機器はM2の「MacBookAir」と12.9インチ「iPadPro」と「iPhone11」がメインであり(他に古いiMacとiPadがある)、
WindowsPCは持ってないし、買ったこともない。
「マカー」と言ってもアップル警察から怒られないと思う。

アップルから「VisonPro」とやらが出るニュースを見た。おおお!?と思った。

iPhoneが出た時、なんとなく「高いし、PHSあるし、いいや」と思ったけど、今はiPhoneユーザーであることを考えると、
ゴーグルもまた将来買うことになるような気はする。
その時はグラスになっていて欲しいけど。


スマートフォンは革命であったことに異論を唱える人はいないだろう。
しかし出始めは「なんとなく別に今はいいや」と思わせる何かがあった。
その理由として、「Macintosh」は仕事で絶対に使うけど、iPhoneはそうでもないからだった。
当時はグラフィックデザインが版下原稿からDTPに移り変わる時代で、マックがなければどうにもならなかったのだ。

しかし、iPhoneは仕事で絶対に使うってことはなさそうに思えた。
携帯電話とショートメールは仕事で絶対必要だったけど、それならPHSで間に合ったのだ。

iPhoneは10年先の当たり前、「仕事」ではなくて「生活」に入り込んだのだ。

「VisonPro」のコンセプトは「空間コンピューティング」というものらしい。果たして10年先の当たり前として暮らしに入り込むのだろうか?

これから先はAIを使ったAR・メタバースの時代になることはほぼ確かだろう。
しかしなんかピンと来ないところがある。
なんだろう、このピンと来なさ加減は、、、歳か?

歳を取って保守的になってしまっている以外の理由を考えてみたい。

「空間コンピューティング」という概念はなんかかなり面白そうではある。

しかし、なんというかなあ、
探し物をした時に「えっとあの僕が使ってたあの丸いセロテープタイプの付箋どこ行ったかなあ?」と言ったら付箋のある場所を示してくれるとか、
冷蔵庫を開けて中身を見回すと、キッチンの棚の中にある調味料とか保存食とかも含めて、家にあるものでレシピを作ってくれるとか(なんとなくこれはできそう)、
出掛ける時に「チケット忘れてますよ!」と忘れ物をチェックしてくれるとか、
アイデアが閃いた瞬間に、それが文章ならテキスト、曲だったらメロディ、造形だったら3Dや2D、のファイルを脳波からスキャンして自動ファイル保存して、すぐに取り出せるとか、
うつ状態になったら自動的に電気刺激をしてうつを軽減させるとか、
寝てる間も装着してるなら起きたい時間に必ず起きられるように睡眠をコントロールしてくれるとか、
私の描くSF的未来ってそういう感じなんだけど、そこまでは行かないんだよねえ、、、当たり前か。
「お前アップルに何を期待しとんねん!」と自分ツッコミを入れてしまった。



ところで
今、AIが(第三次)ブームであると言われている。
MidJourneyやStableDiffusionなどの画像生成AIと、ChatGPTなどの文章生成AIを中心にどんどん進歩している。
ところが気になる点がひとつある。

騒いでるのは「おっさん」、というところなのだ。

女性でAIにちゃんと言及してる人はほとんど見かけてなくて、YOUTUBERで唯一この方「mikimiki web スクール」しか私は知らない。

メタバースやARに対する興味も同様に感じる。

電脳コイル」では女の子がゴーグルをしてるけど、現実世界の現在では「VisionPro」のおっさんのはしゃぎっぷりと女性の無反応っぷりのコントラストが強い感じがしてる。


それはなぜか?

ひょっとしたら開発者に女性が少ないのではないだろうか? と思ったりする。
「いやいや日本と違って女性の開発者ってすごくいるんだ」、としたら、
ゴーグル脱着の時の化粧どうなるの? とか
ピアスどうなるの? とか
髪型どうなるの? とか
そういうことを気にする女性がIT企業で開発者として働いているだろうか? とも思ったりする。
IT企業に就職するようなエリートは、化粧やアクセサリーに一生懸命になるような「男性ウケを狙うジェンダーレスとは逆方向な女性」になろうとは思わない割合が多い気がする。
(それってあなたの感想ですよね? はい。)


それから、
iPhoneやiPad、昔で言えばウォークマンなどの革命的デバイスは「お出掛けのお供」になるという共通点があることを考えてみると、
これから先もなんとなくマスクが当たり前になり続ける世の中で、
さらにゴーグルして出歩くなんてしたいだろうか?
仮面ライダーみたいでちょっと面白いが、そういうのがファッショナブルでイケてる風潮になれば有り得るのだろうか?

iPhoneは女性が「オシャレ♡」と感じる要素があるし、デコったりケースで可愛くできる余地があったが、
ゴーグルだと果たしてどうだろう?

それとも、これから先は「引き籠って何をするか?」という視点からの革命になるのだろうか?



なんというか、
専業主婦がAIやVisonProをどのように暮らしに活かすのかほとんど想像がつかない。
例えば、家事がワンオペ状態の主婦にVisionProを必要とするシチュエーションがある感じがどうしてもしない。

同様にお年寄りがVisionProをどう使うかも、ほとんどイメージが湧かない。
例えば、ある日、田舎に暮らしている自分の親の家を訪ねたら、VisionProを付けたまま死んでたりしたら、何かものすごい後悔をしそうな気がするし、
私も老人になったら残り少ない物理空間(現実世界)を味わおうとして、情報空間(VRやARのメタバース)にはコミットしないような気もする。

一昔前のiPhoneはうちの母の指先だと反応しずらかった。老人のカサカサした指先だとちゃんと動かないのだ。
その現象を目の当たりにした時に
「あー、天下のアップルといえど、開発段階で老人を想定してちゃんと実験とかしてなかったんだぁ(ちょっとガッカリ)」って思ったのだ。

いやいや「VisionPro」は開発段階から専業主婦や老人だって想定してますよ、としてもなんか絵に描いたような「エリートで裕福な家族」の主婦と老人のような気がしてならない。


また、こんなふうにも思う。
トランプ大統領の当選、イギリスのブレグジット、ロシアとウクライナの戦争、、、などなどエリートでリベラルな人たちが推し進めたい方向と逆のことが現実世界では起こっている。
それにMetaがメタバースに力を入れたもののなんか盛り上がってない。
そういったことを考慮に入れると、
頭の良い高収入な男性だけが興奮してるままだとVisionPro、はあるいはAR・メタバースといったものはそこまで広がらないのではないだろうか?

残酷な言い方をしてしまうと、
これからの世の中でどんどん増えていく「富裕層とは呼べない独身者」に刺さらないと、
また、
トランプに投票し、ブレグジットに投票し、ロシア(あるいはウクライナ)を敵視して戦争を肯定するような「リベラルではないマジョリティ」、日本で言えば「ソフトヤンキー」が喜ぶようなものでない限り、人類規模の情報空間移動計画はうまく行かないような気がする。

つまり、
VisionProが本当に必要な「お金の稼げない友達のいない働きたくない独り者」に刺さらない問題、
そしてマジョリティであるソフトヤンキーはVisionProをそもそも必要としない問題、
がどうクリアされるか?
「う〜ん、なんだか難しいよねえ、、、」と思ったのだ、と、書いていて気が付いた。
(てことは、私はどこかでVisionProのようなAR・メタバースの世の中を期待してるってことなのだ。「マカー」だし)



これからもますます情報化社会が進むであろうことは確かだ。
個人から行政機能や組織までも含めた仕事の中でのAI化が浸透していくだろう。
「空間コンピューティング」というコンセプトはかなりワクワクする。
VisionProもアーリーアダプターから徐々に普及していく過程で暮らしに溶け込む使い方やなんらかのブレイクスルーが起こり、
ゴーグル(メガネ程度になって欲しいが、、、)もiPhoneのように当たり前になっていくのでしょうねえ。。。(遠い目)



ではAR・メタバースの時代になるとどうなるか?
というのを少しシミュレーションしてみようと思う。

そうなると実際に人と会って過ごす時間や体験、
ロマンチックな雰囲気のお店で好きな人と一緒にする食事であるとか
実際に出かける旅行であるとか
実際に身体を触ってもらうマッサージであるとか
何かを買うにしてもその商品のみが目的ではなく体験こそが目的であるような形態であるとか、
オフラインでの麻雀や囲碁将棋であるとか、

または実際に手で触れられる物体、
例えば本であるならば電子書籍ではなく「紙の本」であるとか
モニターに映る画像ではなく「物体としての絵画」であるとか
3Dオブジェクトではなくて「現実空間にある彫刻」であるとか

そういった物理空間での「人や自然と触れ合う体験」や「手作りの物体」が物凄く高価になっていくことが予想できる。

情報空間でのコンテンツやコミュニケーションはひたすら「〇〇パフォーマンス(コスパとかタイパとかスピードとか)」と「ウケ」が要求されるだろう。



時間をかけて真摯に作品を作り、
人や自然と会う時間を大切に過ごす。

空いた時間で情報空間に入り、利便性と快楽を享受する。

そんなバランスが良いのかもしれない。


あるいは予想を軽くぶっちぎる未来が待っているのかも知れないので、
そうなったらそうなったで、「乗るしかない、このビックウェイブに!」と情報空間にダイブしてもいいかも知れないけどね。


あなたはどう思いますか?

最後まで読んでいただいて有り難うございました!

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