私はベースを弾いていました。
今は弾いてないのですが、そこで内心ずっと思っていたことがありました。
「なんで(ファンクのような)いい感じにならないのかなあ・・・」
まず上手くなければどうしようもない問題がありますが、
それはさておき、理屈だけは分かっていました。
それは以下のようなことでした。
「(日本の)盆踊りの音頭と、黒人音楽のグルーヴは違う」
これはきっと楽器を弾いたことのない人も頷く言葉でしょう。
それって、どういうことなのでしょう?
どうすれば黒人音楽のノリになるのでしょうか?
私は、
「メトロノームを裏にとって楽器が弾けること」
そして、「裏拍で手拍子ができるようになること」と、教わりました。
具体的には、
「メトロノームの音を1,3拍に置かず、裏の2,4拍に置いて、出だしをメトロノームの音に頼らないで楽器の練習をする」
「曲を聴く時には1,3拍目ではなくて2,4拍目に手拍子をする」
メトロノームの音を裏に置いてもリズムを崩さないで弾けるようになることは、楽器初心者にとってちょっと難しい。
これで弾けるということは、「裏拍でリズムキープができている」ということになり、その延長線上に黒人音楽のグルーヴ感がある。
と、なんの疑いもなく信じて練習していたのです。
練習を続けていけば確かに運指は上手くなめらかになりますし、メトロノームの裏に合わせてリズムをキープして弾けるようにもなります。
ところが、何年ベースを弾いても「なんかあのノリって出ないよなあ」って感じていたのでした。
結局「日本人に黒人のような音楽は無理なんだ。DNAに刻まれているものがそもそも違うんだ」という解釈で諦めたのでした。
私は小学高学年あたりからテレビで流れる歌謡曲よりも家にあったビートルズやウィルソン・ピケットなどのレコードを見つけて面白がって聴いていたおかげで洋楽好きになったのですが、
歌謡曲が流れるとイントロで「洋楽ではない」とすぐに分かるようになりました。
というか洋楽ファンでなくてもイントロだけで洋楽と邦楽の違いって分かりましたよね?
「洋楽」と「邦楽」の違いって基本日本語で歌っているか英語で歌っているかの違いだと思うけどイントロですでに違います。
それはメロディが日本調だからでしょ?というのもある。
だけど、
日本のロックバンドでギターから始まり、ジャンルも「ロック」だったとしても、
なんか「洋楽じゃない」感ってあったじゃないですか。
ひとことで言うと「邦楽だとダサくて洋楽だとカッコイイ」んです。
(「日本の音楽はダサい」ってのは国際的な力関係をベースとした好みの問題だと思うのですが)
それから、レコーディングの問題も言われていて、
だから日本人グループがアメリカやイギリスでレコーディングとかしてアルバムを出すと、
なんとなく「洋楽風」になってるので、
洋楽と邦楽の違いはレコーディングに依るものなのかなあとかとも思っていたりしたのです。
これがきっと一般的な「昭和の洋楽観」だと思うのです。
この問題を忘れて30年くらい経ちました。
ふとこの動画を見つけました。
ドリフの『ヒゲダンス』のテーマと、元ネタの『Do Me』のリズムの重心の検証動画です。
ドリフターズは元々ミュージシャンだし、志村けんがソウルミュージックを元にヒゲダンスのテーマ曲を作った話はなんとなく耳にしてました。
ベースのリフは同じですがこの2曲の雰囲気はかなり違います。
何が違うのか?
いろいろ違うけど、リズムの重心にフォーカスした動画で、
『ヒゲダンス』は頭重心なのに対して『Do Me』は2,4拍だと言って、ドラムを叩いて実践していて、
『ヒゲダンス』と『Do Me』のそれぞれに対して、1,3拍目と2,4拍目に重心を置いて叩いてみせて、ノリの体感をレポートしているのです。
これを初めて見た時、
「ん?なんだ?違いがあるのか?」と思いました。
「ノリが違う」と動画の先生は言うのですが、私にはよく分からず、
「プロじゃないと分からないのか?」と思ったのでした。
しかし、なんだかものすごく引っ掛かったので何回も聴いてしまったのでした。
とても惹かれてしまったこの動画のテーマ『バックビート』。
「なぜ私はグルーヴが出せなかったのか?」
のちにその答えが『バックビート』だったことが分かり、長年の謎が解けるのですが、、、
「え?それ上の方に書いてあるやん」とツッコミを入れてくださった方、有り難うございます。
ところがこの『バックビート』問題、実にヤバいんです。
長くなったので次回に続きます。
最後までお読みいただき有り難うございました!
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