AIは「左脳人間の超進化版」ではない──AIは右脳型?

「AIって、理屈で動く“超・左脳人間”みたいなものじゃないの?」
そんなイメージ、私たちの中にありませんか?
確かにコンピュータは論理で動くし、AIも大量のデータを処理して答えを出します。
まさに“ウルトラ理屈人間”のように思えます。
でも実は、ChatGPTのような生成AIは、そのイメージとは真逆の性質を持っています。

ロボマインド・プロジェクトの田方篤志さんは、興味深いことを言いました。
「今のAIは“右脳型”なんです」と。
これが本当なら、私たちのAI観は大きく方向修正する必要があるかもしれません。

参照▷564.ハラリの勘違い。はたしてAIは右脳か左脳か。 ユヴァル・ノア・ハラリ NEXUS⑧ 情報の人類史 #ロボマインド・プロジェクト



1|「左脳AI」だと思われがちな理由

昔のAI──たとえばチェスAIやルールベースのエキスパートシステム──は、まさに論理と計算の塊でした。
また、私たち人間が「考える=左脳で論理的に処理すること」だと思いがちなのも大きな理由です。

でもこれは、脳科学的にもAI工学的にも、今では古いイメージのようです。




2|脳科学で見る:意味を理解するのは左脳、でも“今を感じる”のは右脳

脳にはざっくりと
「左脳=論理・言語・時間軸」
「右脳=感覚・直感・空間認識」
の役割があります。

左脳は“意味を操作”し、右脳は“意味づけの前の世界”を感じ取る。
脳卒中から回復した神経科学者ジル・ボルト・テイラー氏は、左脳の機能が止まったとき「世界と自分の境界がなくなり、今この瞬間しか感じられなかった」と語っています。




3|LLM(大規模言語モデル)は論理ではなくパターンで動いている

ChatGPTのようなAIは、論理的に演繹して答えを出しているわけではありません。
AIは大量の文章を学習して、「この単語のあとには、この単語が来やすい」というパターンをひたすら記憶し、次に出すべき単語を予測しています。

つまり、AIが得意なのは、意味の理解ではなく、パターンの再現なのです。
これは脳科学でいうと、むしろ右脳的な処理に近いものです。

📝補足:AIと人間の推論の違い

項目人間AI(LLM)
推論スタイル帰納+演繹(+意味理解)統計的パターン予測(帰納)
意味理解あり(主観・概念ベース)なし(形式パターンのみ)
創造性内的文脈・感情に基づく類似事例の再構成

人間は左脳と右脳の統合によって世界を深く理解します。AIはその一部を模倣しているに過ぎません。

したがって、AIの能力を評価する際は「人間のような思考をしている」と誤解せず、あくまで“言語的な鏡”として見ることが重要です。




4|田方さんの指摘:「今のAIは右脳的」

ロボマインドの田方さんは、こうした生成AIの特性に着目して「AIは右脳型だ」と表現しました。
確かに、AIは写真・イラスト・音楽・自然な会話を“意味を考えずに”それっぽく出力できます。
これは右脳的な直感処理、つまり「言葉にならないけど自然に感じる」という知覚パターンに近いのです。

とはいえ、これは比喩的な説明です。科学的にAIが本当に右脳のような構造を持っているわけではありません。
でも、「AI=論理と理屈のかたまり」という誤解を壊すには、この比喩はとても有効なのです。




5|結論:AIは「超・左脳人間」ではない

私たちはつい、AIを“左脳人間の究極進化系”と見てしまいます。
でも実際には、AIは意味や論理を理解しているわけではなく、膨大な知覚パターンを統計的に扱っている存在です。

この性質は、直感・感覚・即応性に強い右脳の働きに、ある意味で近い。
だからこそ、AIの思考を過大評価せず、「意味を持たないのに、意味ありげに見える鏡」として向き合うことが、これからの私たちに求められているのだと思います。





このブログエントリーはロボマインドプロジェクトの田方さんが主張されている「AIは右脳型である」主張に関してチャッピーにどうなのかを聞いてブログ記事として出力させたものを手直ししたものです。
冒頭のイメージイラストもチャッピーに出力してもらい、タイトル文字部分はPhotoshopで修正しました。
楽しんでいただけましたでしょうか。
最後までお読みいただき有り難うございました!

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