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【羽化の作法 80】現在編 アート関係のニュースからアートで自立まで

●あるニュース


アート関係のニュースから。2月27日
「会田誠さんらにゲスト講義で自慰写真など見せられ「セクハラ受けた」 美術モデルの女性が学校法人を提訴」


ツイッターのタイムラインにこんなニュースが流れてきました。そしてこのニュースは炎上し、アーティストやクリエイターたちは皆反応していました。私はこのニュースに関するツイートはしてませんが、とても気になっていました。

私は一応(会田さんが覚えていれば)知り合いですし、それに同じアーティストなのでどうしても会田さんに同情する側なのですが、ちょっと思ったところもあったので、ここに記述しておきます。


このニュースを受けて、手塚るみ子さんは
とコメント。


一方、北原みのりさんは
とコメントしています。


ツイッター上では賛否両論が喧々諤々巻き起こっていました。


カオス*ラウンジの黒瀬陽平さんは、以下のようにツイートしています。


トータルとしては黒瀬さんのように「大学の対応に問題がある」という見解が多い感じでした。


会田誠さんはメディアのインタビューを断り、連続ツイートでこのニュースについて述べています。

「寝耳に水でした。メディアからの取材はとりあえず断りました。自分のツイッターは編集されないので、ここに何か書きましょうか…。遠い記憶ですが、その夜のトークは僕の通常運転だったことは確かです。通常運転とは、学者や研究者のやる講義からはほど遠い、実作者としての言葉だったことです。(続く

続き)落ち着いた文化教養講座をイメージしていたなら、すごいギャップがあったでしょう。僕は芸術が「落ち着いた文化教養講座」の枠に押し込められることへの抵抗を、デビュー以来大きなモチベーションとしてきた作り手です。(続く

続き)そもそも西洋から来た「ヌード」という美術のジャンルが、歴史的に「妙なもの」であるという点を軸に話したつもりでした。研究者でないので結論なくグダグダ話しただけと思いますが。全体的には「人類にとって芸術とは何か」という僕の人生を賭けたシリアスな問いの一環だったはずです。

「モデルをズリネタに」云々という文字がありましたが、おそらくこういう文脈で出てきたものです。美大油絵科の学生としてみんなとヌードモデルを描いていた時に、はたと気づいた。裸の女性が真ん中にいて、たくさんの男たちが(当時美大は男子学生が多かった)それを凝視している。(続く

続き)そして言外に欲情は禁じられてる。これってなんなんだ? 何ゆえなんだ? 歴史的経緯は? 美術・芸術の領域(具体的には芸大上野キャンパス)から一歩出た世間は、まったく違う風か吹いているじゃないか? どっちが嘘をついているんだ? どっちが病的なんだ? そういう問いです。」


会田さんのツイートはまだ続きますが、メディアのインタビューを断ったところになんというか少し希望を感じました。


動画のニュースもありました。
「“ゴキブリとセックス”画で吐き気 大学側を提訴(19/02/28)」


ちなみに会田誠さんのレビューはデジクリでも書いてます。
武&山根の展覧会レビュー コントと思えばよくわかる──【会田誠展 天才でごめんなさい】を観て


今回のニュースのネット状況を的確に喩えてるのは、デジクリ執筆陣の一人「キョージュ」こと関根正幸さんで、以下のようにフェイスブックにコメントしていました。

「世界の珍味を食するイベントにキャビアやトリュフが食べられると参加したら、昆虫食や特殊な発酵食品が出てきてしまい、我慢して食べたもののあまりに辛いので、主催にクレームを言ったが対応が悪く、公に訴えたら、我が国の食材をディスるとは何事か、と叩かれるようなものだと思ってる。」

これ以上にうまく喩えることは私にはできないので(笑)、その他で気になったことをここに書きます。それは、宮台真司の言う「劣化」のことでした。

落合陽一×宮台真司 次の時代をどう生きる

宮台真司さんはネットが普及する前から「島宇宙」という言葉を使って、人々のクラスター化について言及していたようなのです。

「見たいものしか見ない、同じ価値観を持つ人達同士でしか付き合わない」コミュニティの出現。ネットはそれらを加速させ「エコーチェンバー現象」と呼ばれています。

エコーチェンバー現象

「人間は偶発性、未知性に誘発される存在」なのに、偶発性のほぼない状況になってきています。道で人と人が出会わない。他人と目を合わせない。予想外のことに耐性がない。こういう状況に慣れ切った人たちを宮台は人間の「クズ化」とか「劣化」という強い語気で批判しています。

私が感じたのは、この提訴ニュースも宮台真司さんのいう「劣化」の一つの表出なのかも知れないということでした。


そこで、私は子供の頃を思い出します。

私は子供の頃、音楽のこととか宇宙のこととか「俺って本当にいるのか?」とか、そういうことを話せる人たちと出会いたいと、団地の窓から夜空に向かって強く強く願ったのでした。子供心に孤独だったのです。自分を分かってくれる人がこの世にいるのだろうか? いるとしても出会えるのだろうか? と深く思い悩み、星空に祈ったことを思い出すのです。

そして21世紀の現在、音楽のこと、宇宙や意識の謎、哲学、芸術etc…関心のあることは、即座にネットで共感できる人と出会って話すことができます。現代は子供の頃の夢が叶っている社会なのです。それって素晴らしいことだと思うんです。

しかし一方で、このことが実は人間の「劣化」を招いている、と宮台氏は指摘するのです。

だとするとですね、大学側の対応に問題があったのは確かだとは思いますが、しかし(訴えを起こした方にとっては気の毒かも知れませんが)、そういう予期せぬ出来事を提供する「場」があることは、実は「希望」なのかも知れない、とも思ったのです。それが「大学」という学びの場であったことも含めて。そんなことを思ったのでした。

ただ、提訴した大原直美さんが今後、会田誠含む現代美術的な芸術観に共感を示すことは難しいだろうなあとも思いました。

それはこのツイートを見て思いました。


ブログ先には彼女の活動が紹介されていますが、こういう日常を生きてる人に会田誠作品はやはりちょっと無理かなあと思ってしまいます。

逆に会田誠さんが彼女の活動しているキラキラした場所に居合わせたらきっと居心地悪いだろうなあ、とも。何か相容れない「文化ギャップ」を感じたのでした。

現代日本人はうまく「文化の棲み分け」をしていて、その垣根は高い。多分、ジェネレーション・ギャップよりも「世界観の違い」の方が絶望的に噛み合わないだろう。

「ネトウヨ」と「パヨク」のように、ツイッター上で罵り合うコミュニケーションすら存在しない「文化部族」に別れていると思う。それは同じ日本語を使いながらも、すでに言葉は通じないくらいに。

各々の部族が幸せだったら、それはそれで良いのではないかと思ってしまう。そしてテクノロジーが背後でインフラを繋いでくれているから、経済はくまなく回るので問題も起こらない。

たまに違う部族と衝突してしまったら、今回のように即座に訴え、判断は法に任せてお金という数値で解決を図る、と。

宮台さんの「劣化」批判とは裏腹に、この方向はさらに加速するような気がする。ということは、ある意味、大原直美氏の姿が来たるべき未来系なのかも知れない。

これらを踏まえて、「私はどのような芸術観を持って活動して行ったらいいのか?」と自問してみました。

「今やってることを精一杯やって、アートで回して行けるようになる。自分はどこの部族にも入れてないので、文化経済圏を探してそれらとしっかり接続して回して行けるようになりたい」が答えです。

ひょっとしてニュース関係ないかもですね(笑)。そして具体的な接続(仕事)先ですが、美術界というよりSF界です。


●SF小説の扉絵を描く

今年に入って最初の仕事は、「SFマガジン」2019年4月号に掲載される樋口恭介さんの『一〇〇〇億の物語』の扉絵でした。



以前、「小説すばる」2018年10月号で短編『輪ゴム飛ばし師』の扉絵を依頼され、樋口さんとは2回目のお仕事となります。本当に有り難いです。



まさか自分がSF小説の絵を描くとは思ってなかったです。やってみると違和感はなく、自分の作品がそこにあるのが楽しげに感じられてとても嬉しい気持ちでした。SFは詳しくないのですが、ひょっとしたらそのおかげで考え過ぎずに済んでいるのかも知れません。

ここ最近、自分の作品に望むことは「展開可能性」のある表現でした。


それは原美術館のジム・ランビーのインスタレーションを観てから、徐々に意識に上るようになりました。




ジム・ランビーは美術館の床や壁にビニールテープを貼って、インスタレーションにしています。


ビニールテープひとつで、どの空間に対してもアプローチできる、この「展開可能性」にいたく惹かれたのです。シンプルな素材とシンプルなルール。そしてどこにでもインストール可能。


「ある特定の立地条件とか、ある特定の雰囲気にしかマッチしないとか、そういうニッチな作品」ではなくて、「どこにでも展開可能なシンプルなルールで書かれたものすごく柔軟なプログラム」みたいな作品のあり方。

何かそういう方法ってあるのだろうか? また、そういう作品は制作できるのだろうか? 「展開可能」でありたいと切に望んでいたのです。

ジム・ランビーはデジクリでもレビュー書いてます。
「武&山根の展覧会レビュー メンドクサくない感じ【ジム・ランビー:アンノウン プレジャーズ】を観て」


シンプルなルールで展開していく例を挙げると、イワシや鳥の群れがあります。こちらに動画があります。


「数千羽のムクドリ達による空のダンス」


「フィリピン・モアルボアルのイワシの群れ」


イワシや鳥の群れの動きはとても美しく感じます。しかし、そこに複雑な動きを指揮する司令塔はありません。各々の個体が「衝突回避」「整列」「結合」の、シンプルな3つのルールで動いているそうなのです。
参照:「イワシの群れは「ルール」にしたがう/身近な科学 信じられない本当の話」


そんな感じで、シンプルなルールから無限の美しい形を生み出すような作品が作れないかと考えてた時期がありました。

作品がシンプルなルールを展開している美しい形であり、かつ、作品のあり方自体も展開されて行く、みたいな。線譜は展開可能なアプリケーションのように生きて欲しいのです。SF小説の扉絵がその実装だったら嬉しい。



ちなみに『一〇〇〇億の物語』なのですが、最初に原稿を読んた時、儚い透明感に「おお〜!」と思って、あれこれイメージを膨らませていました。しばらくすると、修正した原稿が送られてきて、あまりにもガッツリと変わったのでものすごくびっくりしました。その変更のダイナミズムに感動したくらいです。

そして、出版された小説を読むと更に変更してあって、またもやビックリしました。小説自体が生き物のように成長し、分量もスケールも大きくなって、タイトルも出世魚のように変わっていました。完成作品そのものにも感動したのですが、変わって行く原稿のエネルギーにも圧倒されました。

私は出かける電車で完成作品を読んだのですが、赤羽駅で乗り換えてホームに立ちながら読んでいて、思わず泣きそうになってしまいました。

どんどん変わって行く油絵の制作過程のようで、とても贅沢な体験をさせて頂きました。樋口作品は詩であり音楽であるんだなあと思います。ぜひ「SFマガジン」4月号をお手に取ってお読みくださいませ。

これからもいろんなところに接続して展開して行きたいです。


そして今、私は自分たちのアートが展開して行く源となる「場」を作っている真っ最中でもあります。それがこの世界ともうひとつの世界の狭間、結界であり出島である「13月世大使館」です。


●13月世大使館のいま

13月世大使館とはポオ エ ヤヨさんとのユニット「ガブリエルガブリエラ」で運営するギャラリー・ショップです。現在外注工事がほぼ終わり、いよいよ最後のDIYに取り掛かるところです。

室内を白く塗装しました。


外装はこんな感じです。


工事開始から一年以上経ってようやく完成が見えてきました。なんだかこれまでは、人生のリハーサルだったような気持ちが湧いてきます。

苦節二十年。いよいよ「アートで自立」への旅立ちが始まります。完成したらまずは自分たちでしっかり嬉しがろうと思います。(つづく)


【武盾一郎(たけじゅんいちろう)/新人画家】

劇団ビタミン大使「ABC」の座長・宮川賢さんのラジオ「宮川賢MT」に出演しました。

宮川賢MT:武 盾一郎 1

宮川賢MT:武 盾一郎 2


こちらにも、インタビュー動画がアップされています。
段ボールアート/武盾一郎

絵画レンタル/販売のCasie かしえさんで取り扱って頂いてる線譜『惑星』がレンタルされました!


アーティストとアートファンを繋ぐプラットフォーム「メセロ(mecelo)」に私のページができました! 応援よろしくお願いします! インタビューもあります。
https://mecelo.com/artists/take_junichiro

インタビュー前半
https://mecelo.com/artists/take_junichiro/interviews/57
インタビュー後半
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装丁画を担当しています!『星野智幸コレクション・全四巻』(人文書院)

星野智幸コレクションI スクエア
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羽化の作法[80]現在編 アート関係のニュースからアートで自立まで/武 盾一郎 より

塗装工事(27〜28日)

2月27、28日と塗装工事でした。


27日
28日


アーチ部分も白くなりました!


窓枠に金の縁取りを描いています

あと1日で塗装は終わるようです!

塗装工事(23〜24日)

23、24日は塗装工事でした。

扉を塗りました。




下地作業はほぼ完了!



凸凹もなくなりました!


敷居板も平らに!


次回の日程がまだ決まってないのですが、いよいよ室内を白く塗装します!

塗装工事が始まりました

2月21日(木)から塗装工事が始まりました!
外壁を黒にしました。これだけで雰囲気まるで変わりました。
塗装は真田塗装 さんです。

外壁塗装前
外壁塗装後

ランプの本体も外壁と同じ色に塗装



ドアノブ



ドアノブも先月ちゃんと取り付けました!
散々悩んで買ったアンティークのドアノブだったのでちゃんと取り付けられてホッとしました。

内側

外側

ドアノッカー

塗装前の画像


ドア内側

明日、2月23日(土)は室内の塗装に入ります。
楽しみです!

【羽化の作法 76】現在編 2019年を振り返る

こんにちは。武盾一郎です。今年もよろしくお願いします!

新年最初のデジクリなので、今年の抱負を述べるテキストになるのですが、その際に現在を基点にするのではなく、年末に2019年を振り返った時にどういう状態でいたいかという未来を基点に考えてみました。


●13月世大使館について

今年はいよいよ工事中のギャラリー「13月世大使館」を完成させて、オープンさせる予定です。去年の1月にアトリエにしてた小屋部分を改装して、ギャラリーにしようと動き始めました。ガブリエルガブリエラのアカウントからも、そのことをアナウンスしました。



ところが工事が中断してしまいました。12月に地元業者のアイプロさんにお願いして、ようやく室内の大工工事が終わりました。



28日で年内工事終わりと思いきや、アンティークのドアノブがきちんと付かなくて、大晦日にドアノブを一旦取り外す工事になりました。



これからまたアイプロさんの工事が入ります。ドアノブと室内外の塗装と外装の改装工事を行います。

アイプロさんの工事が終わったら、自分たちの工事があります。まず、台所の食器棚などをすべて白く塗ります。そして居間と台所の床に、市松模様のタイルを貼ります。居間の照明も取り替えます。

それから、ギャラリーの窓のロールカーテン、棚のカーテン、ギャラリーと居間の仕切りのカーテンを取り付けます。そして、シャンデリアを取り付けて、アンティーク・ソファとアンティーク棚を配置し、エアコンを取り付けます。

これでようやくギャラリーの完成です。庭部分がまだですが、それはもうちょっと先になると思います。

当初予定していたヤマネに頼む工事は、彼のスケジュールがタイトだったのと、アイプロさんの工事も残っていたので、まとめてアイプロさんにお願いすることになりました。

今はまだ、この工事が完成することすら実感が湧かない状態ですが、今年こそ本当に完成させて、生まれ変わった空間をお披露目したいです。

2019年を振り返る時、

「13月世大使館、試験的に運営を始めましたがおかげさまで大盛況が続いております! これからもよろしくお願いします!」

という記事が書けるようにしたいです。


●線譜について

ところで、私は「線譜と名付けた音楽を描く線画」を制作してますが、そもそも「音楽」とはなんでしょうか?

普通は音楽と言うと「曲」のことをイメージしますよね。しかし私は、「耳に聞こえない音楽」も「曲として聞こえない音楽」もある、としています。「聞こえない音楽」とは私のアイデアはなくて古代ギリシアにあった考えです。

「古代ギリシャより、天体の運行が音を発し、宇宙全体が和声を奏でているという発想があり、これが『天球の音楽』と呼ばれた。その響きはきわめて大きいが、つねに鳴り続けているため人間の耳には気づかれないとされる。」
http://artscape.jp/artword/index.php/%E5%A4%A9%E7%90%83%E3%81%AE%E9%9F%B3%E6%A5%BD

「曲として聞こえない音楽」とは、自然音(アンビエント)やノイズですね。風の音や虫の声、または車の音などなど、自然・人工問わずそれらも音楽だと解釈しています。

つまり楽曲とは音楽の一部で、音楽=楽曲ではなくて、音楽>楽曲なのです。また「楽曲」は絵と違って何かを描写することはほとんどありません。例えば、薔薇の花とか近所の犬とか山とか、そういう目に見えるものを音楽で表現することはあんまりありません。

確かに「ドナウ川」や「隅田川」や「津軽海峡」といった曲はあるにはあります。しかし、基本的に音楽は絵のように現実の風景を「再現」する為のものではありません。

自分が描いてる絵は、目に見えるモノの「再現」ではないと常々思ってきたので、音楽の「再現の仕事はほぼない」ところに、自分の描く絵と音楽の共通性を感じていたのです。というか、最近になってようやくこのことに気が付いたのです。

だからなのか具象をあまり描いてなかったのですが、ここのところハッキリと具体的な「誰か」や「どこか」や「なにか」を描くようになってきました。

例えば、遠藤ミチロウさんであるとか


上尾の風景だとか


母の家に来る野良猫だとか


「私は絵ではなく音楽を描いてる」とか言っておいて、これこそストレートに絵だしスケッチではないか、と自分でもツッコミを入れるのですが、「音楽として風景を見てみる」とか、「音楽として猫を見てみる」とか、意外な面白さを感じているので、この方向を続けてみたいと思ってます。

そしてこの「地元上尾の風景」は、実は自分が本当に描きたいモチーフだったりします。しかし、私はずっとずっと昔から風景画が大嫌いでした。印象派が嫌いだったのは、主に風景画だったからです(今は印象派好きですが)。

よく市役所みたいなところに行くと、地元の人による地元の風景の油絵が飾ってあったりしませんか? ああいうのを観ると、心底、本当に、全身全霊をこめて「つまらない!」と思っていました。

芸術から最も遠い絵画は「風景画」だとさえ思ってました。それは真理だと信じていました。信仰と呼べるほどに強いものでした。

その自分に「地元の上尾の風景を描きたい!」という衝動が湧いてしまうのです。本当に自分とは困った生き物です。で、あっさり「風景画嫌い」を辞めたのでした。

ところが、カタチを描く場合、「構図を決めて、下書きをする」という段取りが必要になってきます。私はそれが苦手だったので、行き当たりばったりに即興で描いて完成させる方法をなんとか確立させてきました。増殖していって秩序に辿り着くイメージです。

例えば、線譜『無題』


そんな感じの「無形」的な描き方と、風景や具象の「有形」的な描き方は「即興」と「構築」のように対照的です。

音楽で例えると、構築された音楽とは楽曲のことです。その一部分に即興の小節を割り当てます。そんな曲はよくあります。なので線譜でも有形と無形をミックスするのは全然アリでしょう。構図と下書きという段取りがもっとスムースにできるようになれば良いだけです。

最初は楽曲とは違う音楽を描いてきたのですが、徐々に楽曲的な線譜も描けるようになってきたのがここ最近の流れです。

今後は、即興・ノイズとミックスした楽曲の線譜がメインになると思います。例えば、この線譜『ノイズの中のボク.』もカタチと即興が混ざってます。


『ノイズの中のボク.』のイメージは5分くらいのノイジーでメローなシューゲイザー、な感じです。

そして最近よくイメージするのが「ロックのような線譜」です。バロックではなくてロックです。ロックの魅力はいろいろありますが、最もインパクトあるのが誰もが「俺にも弾けそう!」と感じた、ということだと思うのです。

クラシックや雅楽が眠たくなるのは、身近ではないっていうのが最大の原因だと思いますが、自分の身体とは無関係だと感じてしまうのも大きいと思っています。

芸術のほとんどが通常の人間の身体性を逸脱した形式です。それはそれで人間の身体可能性を拡張してるし、そこに人間に超越性を感じたりできるのでとても意味深いことではありますが、それだけではきっかけが掴めなくてつまらなく感じてしまうこともあるように思います。

ロックには「無意識的に共感する身体性をもつ形式」があったのだと思います。ルールや手続きや文脈を知らなくても身体的に共鳴できる形式、それがロックの最大の発明だったのだと私は思ってまして、そういう形式を表現できるようになりたいと思ってます。

また、具体的なカタチというのもあります。音楽に例えるとフレーズになりますでしょうか。気持ち良いカタチを描きたいと言う欲望もすごくあります。

私の場合、そのカタチの中は「空(くう)」が良いです。意味とかメタファーとかをカタチに籠めたくないのです。ただ単に、スコーンと突き抜けるような「心地良いカタチ」を出したい。そんな欲望があります。そうすれば観る側が意味を自由に与えたりできますし。

「心地良いカタチ」と「描けそう! と感じさせるスタイル」、これがこれから線譜で描いていきたい方向性です。

かつては「引っかかるカタチ」と「こんなの描けない! と感じさせるスタイル」を指向していました。「ここに留まらせようとする力」と言ったらいいでしょうか。それに対して「心地良いカタチ」と「描けそう! と感じさせるスタイル」は「軽やかにかけぬけてゆく状態」なので、両方できれば表現の幅が広がります。

今年を振り返った時

「表現の自由度が格段に上がったので制作がうんと楽しくなった!」

と思えるようにしたいです。


●ネットの活用について

「13月世大使館」と「線譜」について書きました。3つ目は「ネット活用」についてです。

現在、ツイッターとフェイスブックのSNSとブログを使っています。
https://twitter.com/Take_J
https://www.facebook.com/take.junichiro
https://take-junichiro.blogspot.com/

また、「タイムバンク」(スマホのみのサービス)、「バリュー」といったプラットフォームに上場しています。それから、アーティストのためのサービス、「Casie/かしえ
や「mecelo/メセロ」にも登録しています。しかし、これらのネットのサービスをきちんと使いこなせていない歯がゆさがあります。

ツイッターは2007年4月と割と早くから使っていたのですが、かつてのツイッターとは世界線が変わってしまったので、扱い方を変えないとならない感じがしています。昔は本当にくだらない今を報告する楽しいツールでした。

とは言うものの、ツイッターはまだまだポテンシャルの高いツールだと思うので、有効なやり方はないかと試行錯誤しています。

フェイスブックは高齢者の憩いの場として、これからも変わらない感じはしますので、基本このままでいいと思ってます。ブログはもっと活用のしようがあるでしょう。積極的に発信していきたいです。

タイムバンクとバリューは、投機などの市場原理が分かってないとまったく活用できないプラットフォームです。悲しいかな、今のところまるで使い勝手が分かってない状態です。まずマネーゲームに面白みを見い出すマインドを持つ必要がありそうです。

どうも私は資本主義を悪とする信仰を持ってるみたいなのです。その信仰による呪縛によって貧困に陥って、こっぴどく苦しんで来ました。なのでこんな信仰さっさと手放したいのに、こびりついてなかなか取れないのです。

これは結構根深いワタクシ問題で、タイムバンクやバリューといった超資本主義「お金2.0」的なサービスのコンセプトやクオリティの問題ではないと思います。変わりたい。

アーティスト向けのプラットフォームである「かしえ」と「メセロ」ですが、本当に「これでもか!」と思うくらい、アーティストとアートを楽しむ人を結び付けようとしている良心的なサービスです。これもタイムバンクやバリューと同様に、新しく登場したプラットフォームなので何分実験的な要素もあるでしょう。可能性は未知数ですが、新たな収入源となって欲しいです。

ちなみに、かしえでは最近線譜のレンタルが決まりました。


これからですね。今年の年末に

「ネットでベーシックインカム分を確保できるようになりました!」

と報告できるようにしたいです。


以上です。本年もよろしくお願い申し上げます! あなたにとって素晴らしい一年となりますように!

【武盾一郎(たけじゅんいちろう)/断酒できるかな?】

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星野智幸コレクションII サークル
http://www.jimbunshoin.co.jp/book/b226413.html

星野智幸コレクションIII リンク
http://www.jimbunshoin.co.jp/book/b226414.html

星野智幸コレクションIV フロウ
http://www.jimbunshoin.co.jp/book/b278897.html

日刊デジタルクリエイターズ
羽化の作法[76]現在編 2019年を振り返る/武 盾一郎

13月世大使館、今年の工事は終わりました

12月28日

午前中に掃除が終わり大工さんの工事は終了しました!

メイン壁面

出入口の壁面

外壁

DIYした箇所

キッチンのタレ壁板を貼りました。



冷蔵庫の電源を変えました。
冷蔵庫の電源を水場横のタップから取っていたのですが、延長コードが床に横たわって邪魔だったのですが、これでスッキリしました。

冷蔵庫用のタップを作りました

冷蔵庫のタップに続く延長コードタップを洗濯機の脇に設置

嬉しいのは電源が一つ余ったので
洗濯機前(脱衣所)にクリップライトを設置できたことです


シャンデリアを吊るしたい位置に「よーと」を差し込むことが出来ないので、角材を取り付けました。

角材を買ってカットしてもらい、横からネジを打ち付けました。

階段の下、手すりの足が階段と重なるので階段の下の部分を削りました。

ほんのちょっとだけ削ります



トラブル発生! アンティークのドアノブが付かない!?

27日にドアが届いたのですが、こちらで購入したアンティークのドアノブがうまく付きませんでした。

やよさんが販売元に問い合わせたところ、取り付け方が違っていたことが分かり、アイプロさんにメールしました。

そして31日にドアノブをいったん取り外して直してもらうことになりました。

替わりに取っ手を付けてもらってます

なんだかんだで大晦日まで工事になりましたが、これでなんとかなると思います!
来年は続きの工事を行います。


13月世大使館工事(24〜27日)

12月24日

サッシを取り外して外壁の工事に入ります。

窓枠の建具が届きました

夜はベニヤ板で塞ぎます

12月26日

外壁と窓と扉の枠を作ります。

外側の枠と壁ができてきました

ステンドグラスが付きました!

12月27日

居間の棚の扉は森さんが作りました。

棚の段も作って頂きました
居間の棚の扉の蝶番

ドアは建具屋さんが作りました。

ドアが届きました
ドアの蝶番

出入口側の曲線棚も作って頂きました。

曲線の棚の板

メイン壁面の下の棚の扉も森さんに作って頂きました。

選んだ取っ手がピッタリ可愛くキマリました!

工具箱がちょうど入ります


13月世大使館工事進捗(15〜21日)

大工の板垣さん

地元の「低コストリフォーム研究会・アイプロ」さんにお願いしている工事は着々と進んでおります。

工事三日目の15日から21日でのはギャラリーの床とメインの壁を作って頂きました。
床は出入口に向かって下がっていたのですが、水平にして頂きました。
メイン壁テーブルも斜めになっていたので、水平に作り直して頂きました。
換気扇を取り外してメインの壁とタレ壁を作って頂きました。


●床を作る

12月15日

12月18日


●メインの壁を作る

12月19日
テーブルも作り直して頂きました!


メイン壁とタレ壁を作ってます。
12月20日
12月21日
換気扇も取り外して壁面に


●窓・出入口側の壁

《額縁枠付きの開閉窓》と《ステンドグラスはめ込み飾り窓》を実現する為に、誰も思い付かなかった《名案&設計図》を創ってくださった一級建築士の森さん。
写真は 森さんが創ってくださった窓の縮小版サンプルです。
完成がとても楽しみです!





アンティークのドアノブとドアノッカーを付けて新たにデザインし直したドアの設計図
新しいドアの設計図


最初に森さんに作って頂いた外壁設計図
右側の窓がステンドグラスになりドアのデザインが少し変わります。
最初の設計図